うつわで旅するお取り寄せ

島根県「温泉津焼」でいただく秋を先取る山陰のお菓子

うつわで旅するお取り寄せ
鳥取民藝美術館
民藝運動家の吉田璋也による新作民藝など、世界各国の民藝品を展示

上品な艶でいつものお茶時間を特別に

島根・鳥取の山陰地方は、民藝運動が活発に行われ、民藝の父・柳宗悦氏をはじめとする多くの関係者によってその文化が長く受け継がれてきました。数多くの窯元があるほか、京都、金沢に次ぐお茶どころとしても知られる島根は、お茶に欠かせない和菓子、そして茶の湯を美しく彩る陶器や漆器などの職人が多く育ったことからうつわとの結びつきが深い土地でもあります。なかでも温泉津焼は日用品としてのやわらかさと艶のある美しさが特徴的。そろそろ涼しさが恋しくなる季節、初物の柿と和菓子をうつわと組み合わせて、秋らしいお取り寄せを楽しみましょう。

写真/村上未知  文/旅色編集部

山陰の味をお取り寄せ!

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    鳥取県産 あんぽ柿 個包装
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機能的で美しい手しごと 温泉津焼

江戸時代の宝永年間(1704~1708年)に開窯したのがはじまりとされ、交易港として栄えた温泉津港からは多くの温泉津焼が全国に運ばれました。「温泉津やきものの里」には巨大な登り窯があり、徒歩圏内で3つのすべての窯を巡ることができます。きめ細かい良質な土が摂れることから、丈夫で割れづらく、日常使いに適しています。なかでも島根出身の陶芸家・河井寛次郎を師とする森山雅夫さんが手掛ける森山窯の焼き物は、美しい艶と透明感が特徴的で、落ち着いた佇まいを感じます。
竹内万貴

教えてくれたのはこの方

竹内万貴(うつわスタイリスト)

「窯巡り旅のなかで出会い、温泉津焼の美しさと使いやすさに魅了されたうちの一人です」そう教えてくれたのは、うつわスタイリストの竹内万貴さん。雑誌やレシピ本、広告などで料理に合わせた器の提案や、スタイリングを行うほか、うつわを求めて地方の窯を訪ねることもあるほどの“うつわマニア”。

森山窯「6寸面取高台付皿 飴」

釉薬による黄緑がかった味わいのある色味と艶が特徴的。手に持つとずっしりと重みがあり、それに違わぬ存在感で、料理に特別な日の装いをもたらしてくれます。

森山窯「6寸どら鉢 灰釉」

竹内さんが長く愛用しているこちらのうつわ。「どら鉢」と呼ばれ、高台がなく底がフラットで、全体的にまるみのある形です。料理を盛ってももちろんいいのですが、今回は木製の菓子器のように使っています。

温泉津焼を購入するなら

大田市湯泉津町の温泉津やきものの里にある3つの窯、
「森山窯」「(有)椿窯」「椿窯」に直接足を運ぶほか、
厳選された作品を扱うセレクトショップでの購入がおすすめです。
温泉津やきものの里の地図
今回うつわを購入したのはこちら

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島根県松江市にあるオブジェクツは、森山窯や湯町窯、白磁工房(いずれも島根)など山陰の窯元の作品のほか、全国から集めた陶器、硝子、木工、染織物など手しごとの品を扱うセレクトショップ。作家の個展や企画展も開催している。

住所/島根県松江市東本町2-8
電話/0852-67-2547
営業時間/11:00~18:00
HP/http://objects.jp/

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※陶器は色や形、風合いが異なるほか、必ずしも同じ作品があるとは限らない点、ご注意ください

盛り付けポイント

時季ものには敬意を表し高さを出して
秋が旬の柿は、高台が特徴的な祭器(さいき)に、果肉感がわかるようさらに高さを出して盛り付けます。“祭事に使う”と聞くとハレの日に限られる気がしますが、実は平皿と同じ感覚で日常使いできるうつわ。これだけでコーディネートにメリハリが出ます。

時季ものには敬意を表し高さを出して

ゆっくり会話を楽しむならたっぷり入る筒湯のみ

ゆっくり会話を楽しむならたっぷり入る筒湯のみ
今回お菓子に欠かせないお茶を入れた「筒湯のみ」も、同じく森山窯の温泉津焼です。両手でくるんで持つのにちょうどいい、たっぷりサイズなので、時間をかけて会話を楽しむティータイムに重宝します。
森山窯 湯のみ
心地いい風を感じる、秋の夜長のティータイム。気楽なおしゃべりや読書のそばに、季節を感じるお菓子をどうぞ。

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