


『モンテロッソのピンクの壁』
メス猫のハスカップはある日突然「モンテロッソへいかなくちゃ」という思いにかられます。飼い主に別れを告げ、夢に出てきた美しい壁をめざす彼女の行く手には……。「場所に呼ばれるような旅って、ある!」と共感する人は多いはず。名うての女性作家による大胆でキュートな冒険譚を人気イラストレーターがカラフルに彩ります。文庫絵本ですが、手のひらサイズを超える大きな広がりが魅力的。

693円/集英社文庫
『やきもの文様事典』
「やきものって地味で難しそう」という方も多いと思いますが、本書をめくるとその色鮮やかさ、多様性に心奪われるでしょう。やわらかなピンクが胸にしみる「桜」、歌舞伎役者が愛した「石畳(市松)」、ユーモラスな「魚」など、あなたのお気に入りの文様がきっと見つかります。陶芸市をめぐるもよし、一部には写真提供をした美術館名が添えてあるので本物を見に行くのもいい経験になるはず!

2,750円/誠文堂新光社
『フルーツサンド本』
今、カラフルさで大人気なのがフルーツサンド! 本書はこの美しいサンドイッチに特化したレアなガイドです。まるでアートのような銀座Furutoshiの一皿から、高い天井と豪華なシャンデリアの下で楽しむ早稲田のリーガロイヤルホテルの逸品など前半は東京編。後半は地方編で、黒糖食パンを使う堀内果実園・奈良三条店、和菓子職人が作る京都ZEN CAFEのプチサンドなど、バラエティー豊かに楽しめる名品をどうぞ!

1,430円/昭文社



『Summer of 85』
初恋って、突然終わりを告げるのが世界共通なのでしょうか。フランスの名匠フランソワ・オゾンが、1985年夏のノルマンディー地方の海沿いの街ル・トレポールを舞台に描く、16歳と18歳の少年の人生を変えたひと夏の恋。燦々と輝く青い海を背景に、散りばめられた赤や黄色や緑のファッション。スクリーン全体がまるで夏の眩しさと初恋の輝きを採集した宝石箱のようです。時代に合わせて全編フィルム撮影が敢行され、ざらりとした質感までも懐かしくノスタルジック! 当時流行した電子音楽が2人の距離を妖しく近づけては遠ざける、その駆け引きにもドキドキ。
配給:フラッグ、クロックワークス

『グランド・ブダペスト・ホテル』
人がピンクに惹かれるというのは細胞レベルで組み込まれているのかもしれない。1番好きな色じゃなくても、この色を嫌いと言う人はいないんじゃないの? そんなピンクをちょっとベタに堪能するのが本作。見た目はかわいらしく格式高いピンク色のホテル。そこで起こる不可解な殺人事件の謎を解くミステリー映画は、見た目と内容のギャップが面白い。しかも実在の人物の歴史が絡んできていて、歴史好きにも奥が深い。画面もところどころ凝っていて、何度見ても発見があります。かわいいのにとげがある、まるでミント味のキャンディのようにスーッとする、大人のためのおとぎ話です。

『ノッティングヒルの恋人』
“ロンドンのビバリーヒルズ”とも呼ばれる色鮮やかな街・ノッティングヒルを舞台に、有名ハリウッド女優と小さな本屋を経営する男性の恋を描いた逆シンデレラ的ハートフルストーリーです。イギリス映画ならではの小洒落た名言たち、採集したくなる程のロマンチックなシーン。公開から20年以上経った今も多くのファンがこの地を訪れていて、舞台となったロケ地はノッティングヒルという名のスーベニアショップとして雰囲気そのままに健在。まったく異なる性格の二人が運命的に出会って、惹かれあう。そんなボーイミーツガールって、基本にしてすべてですよね。
