浅田政志の宿旅

旅の目的は、あの宿に泊まること―。憧れの宿泊体験を切り取る写真連載。第26回は、ほぼ地中海の宿。ほぼ海外で、ほぼ別荘で、断然リゾートです。
写真家 浅田政志の宿旅
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気分は“伊達男”

Vol.26「Village & Hotel 志摩地中海村」三重県志摩市

伊勢志摩半島ののどかな道を進んでゆくと、突然現れる地中海の街並み。ゲートをくぐった先はもはや日本ではありません。照りつける太陽、輝く海があってもなくても、ここは理想のリゾートです。
ウチくる?
元は幾人かが出資して別荘としてつくったプライベートな“村”のため、客室は敷地内に点在し、すべて外観も間取りも、インテリアも異なります。まるで自宅のように穏やかな休暇をお過ごしください。
本物の美学
エリアごとにオマージュしている国が異なり、散歩すれば国を渡り歩いている気分。
建物はどれも本格的で、木材やオブジェは実際に取り寄せているものだそう。
敷地内いっぱいに敷き詰められた石畳もスペインから運んだものだそう。本物ってすごい。
フォトジェニックの集大成
ゲートすぐにある「カフェAmigo(アミーゴ)」は青いインテリア、白い壁や天井がフォトジェニック。支配人・坂さんのおすすめはパンケーキ(1,210円)と、地中海ブルーソーダ(715円)。パンケーキは季節で味が変わり、夏は爽やかなレモンソース。映える要素しかありません。
アルハンブラでひとっ風呂
宿泊せずとも見学できる志摩地中海村ですが、一部宿泊者限定のエリアがあります。その一つが天然温泉の「スパ・アルハンブラ」。ぬるめの温泉にじっくり浸かれば、気分は王様です。露天風呂からは英虞湾(あごわん)が望めます。
英虞湾に浮かぶレストラン
夕食会場へは、異国の街並みを歩いて向かいましょう。新バスク料理が食べられる「リアス・バイ・ココチャ」は、海へと続く一本道の突きあたり。おとぎ話のように幻想的ですが、実在しています。スペインにあるミシュラン1つ星のレストランがプロデュースしているので、味も実力派です。
地中海の香りを持ち帰る
お土産には、ぜひオリジナルのアロマオイルを。スパの香りが人気で、それをイメージしたアロマオイルを女性スタッフが企画して商品にしたそう。爽やかでスパイシーな香りは、自宅でも地中海の風を感じさせてくれそうです。

Village & Hotel 志摩地中海村

スペインやギリシャなど地中海のリゾートをイメージした街並みが、英虞湾を望むように広がるホテル。モザイクタイルを使ったクラフト体験や英虞湾クルージングなどアクティビティも充実しています。支配人の坂さんによると、多くのお客様がお部屋かこの街中で過ごすそう。また、客室は、ヴィラタイプからカジュアルなツインルームまでさまざまなので、自分の別荘と思えるお部屋を見つけたいですね。

住所 / 三重県志摩市浜島町迫子2619-1
電話 / 0599-52-1226(代表) 0599-52-1336(予約)
料金 / 16,650円~(2名1室、1泊2食付き)

浅田政志
Masashi Asada浅田政志
1979年三重県生まれ。2007年に写真家として独立。2008年、写真集『浅田家』(赤々舎刊)で第34回木村伊兵衛写真賞を受賞。2020年、『浅田家!』として映画化された。著書に『NEW LIFE』(赤々舎刊)、『家族新聞』(幻冬舎刊)、『家族写真は「」である』(亜紀書房)など。最新作は『浅田撮影局 まんねん』(青幻舎)。また、国内外で個展やグループ展を精力的に開催している。
http://www.asadamasashi.com/