長島町で見つけたカラフルな旅

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飾らない人柄、ナチュラルな佇まいの西田尚美さん。鹿児島県最北端の長島町に訪れたのは初めてで、空と海と花に彩られた楽園を前にしたその素顔は、少女のようでいて、大人の余裕が感じられます。旅の楽しみ方も、自分らしく。会いたい人に会いに行って、食べたいものを食べる――。軽やかに旅を楽しむ西田さんに、旅の楽しみ方や今回訪れた鹿児島県最北端の長島町での思い出を伺いました。 写真/佐野円香 スタイリング/岡本純子 ヘアメイク/茅根裕己(Cirque) 文/山本陽子



Special Interview Naomi Nishida

気負わず、したいことをするため、会いたい人に会うために軽やかに旅を楽しむ西田さん。そのコツは、現地での人々との触れ合いのよう。空と海と、おいしいものが揃う長島町もそのまま楽しんでいます。

鹿児島県の長島町を巡りました。印象に残っている場所やものはありますか?

黒之瀬戸大橋を車で渡って島に入るところが、「ああ、旅だ」と気分が盛り上がりました。大橋のたもとにある「うずしおパーク」の展望台から、海を挟んで向こう岸を眺めているときも「旅をしたな」と感じましたね。あとは、「Stop By」のブリカツバーガー。ブリカツは初めて食べましたが、外はカリッとしてなかはふわふわ、クセもなくてすごくおいしかったです。

シャツ47,300円、パンツ60,500円(共にスタジオ ニコルソン|キーロ 03-3710-9696)、ピアス30,800円(チェリーブラウン 03-3409-9227)、靴52,800円(サンダース|グラストンベリーショールーム 03-6231-0231)

最近の旅事情はいかがですか?

旅はできていません。毎年夏には家族で必ずどこかに行っていたんですけど、去年は行けませんでした。乗り物にのっていつもと違う風景を見るだけでリフレッシュできるんだな、と改めて思いました。少し郊外に出るだけで空気は違いますし、日常から非日常へ、身の置き場所を変えてみると気持ちいいですし、頭がすっきりします。だから旅行には本当に行きたいです。

熱望されていますね。旅はきっちり計画を立てて行かれるほうですか?

ぶらりと行くことが多いですね。まず、大きな目的、食べたいものやお参りしたい神社があって、あとは行って決めることが多いかな。宿も決めずに行くことがあります。もちろん人気のシーズンは行きあたりばったりの旅は難しいですが、オフシーズンは空いている宿はどこかしらにありますし、駅や観光案内所で聞けば教えてくださいます。撮影のロケで地方に行くことも多いのですが、その町のことを全然知らなくても、行ってしまえばホテルのスタッフや町の方がいろんな情報を教えてくださるんです。またそうやって教えていただくことが楽しいですし、旅の醍醐味だとも思います。

行く場所はどうやって決めていますか?

いろいろです。なかには、以前お仕事でお世話になった場所とか。たとえば北海道でのロケ中に撮影場所だった牧場の方と少しお話して仲良くなって、「ここにまたいつか来れたらいいですね」と話していたんです。それからしばらく経って、家族で北海道に行ったときにふと思い立っていきなり電話をしました(笑)。向こうの方が「いま北海道? 本当に? きなよ、きなよ」と言ってくださったので、お邪魔したこともあります。図々しいですね(笑)。

もしかしてハプニングも楽しめるタイプですか?

そうかもしれませんね。何が起きるかわからないから臨機応変でいたい。たとえば、お天気ひとつで旅って変わりますよね。以前、北海道に雲海を見に行ったときも、毎日早起きしたんですけど結局見られなかったんです。「雲海を見にきたのに!」と思ったりもしたけど、「まあしょうがないね、別のことで楽しかったからいいね」と落ち着きました。





旅慣れていますね。お土産はどんなものを買いますか?

食べ物が多いです。京都に撮影で行った時は山椒や山椒のお塩、お酢などを選びました。旅の荷物は、できるだけ小さくまとめて身軽でいたいので、すぐ渡す予定のものだけ自分で持って帰って、あとは配送にします。

西田さんの旅の荷物、すごく小さそうです。

荷物は少ないし、できるだけ小さくまとめていきます。足りないものがあればどこかで買えばいいと思っています。以前、長期ロケの際に、いつも使っている枕を持っていったこともありましたが、枕ってかさばるじゃないですか(笑)。最近はなければバスタオルを重ねてなんとかするみたいになりました。

これまでで転機になった旅はありますか?

映画『ナビィの恋』で行った沖縄かな。それまで行ったことがなかったんですけど、映画をきっかけに毎年行くようになりました。海もいいし、人もいいし、食べ物ももちろんおいしいし、島によっても雰囲気も違うし、踊りや歌、器も異なりますよね。それ以来、人生の大きな位置を占めるようになりました。あのとき、あのタイミングで行けてよかったなと思います。

いましたい旅はありますか?

ゆっくりしたいなあ。東京ってみんなすごく急いでるというか歩くのが早くて、私、初めて上京したときびっくりしました。時間の流れが違うと感じたんです。それは東京っていう場所だからなのかな。たまに東京から離れると「急がなくていんだな」と気づくので、ゆっくりそういうところに身を置く旅もいいかなと思います。

ワンピース37,400円(ハウス オブ ロータス|ハウス オブ ロータス 青山店 03-6447-0481)、ピアス85,800円、ネックレス*上 75,900円(共にマリハ|マリハ 伊勢丹新宿店 03-6457-7128)、ネックレス*下 198,000円(カラットアー|イセタンサローネ東京 03-6434-7975)、タートルネック(スタイリスト私物)

わたしの旅アイテム

荷物からその人となりが意外に見えるもの。
西田さん、旅に欠かせないグッズを教えてください。

わたしの旅アイテム

移動で体が痛くなったりするので、ツボ押しが必需品。あとこのバスソルトは、塩の成分が強いので、じっくり浸かると翌朝すっきりします。ちょっといいものなので、旅など特別感のあるときに。そしてアロマオイル。直接肌に塗れるものなので、気分転換できますよ。

西田尚美
西田尚美
Profile
1972年、広島県生まれ。モデルとしてデビュー後、女優に転身。主演映画『ナビィの恋』をはじめ、ドラマや舞台などでも幅広く活躍。出演作に『にじいろカルテ』(テレビ朝日系)、映画『あの頃。』など。今後も主演映画『青葉家のテーブル』、ヒロインの母を演じる2021年後期のNHK連続テレビ小説『カムカムエヴリバディ』(NHK総合)などが公開を控えている。