箱根で過ごす、アカデミックな時間

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  • Special Interview 志田未来
  • 1泊2日のRefresh Trip 箱根町[神奈川県]
  • タベサキ 東京、伝説のうなぎ職人[東京都]
    • 今月のロマン秘湯 白骨温泉[長野県]
    • 浅田政志の宿旅 湯の山 素粋居[三重県]
    • あの人の旅カルチャー シム・ウンギョン(女優)
    • 小林エリカ連載・旅と創造「宝石」
    • エリアフィーチャー 伊万里・有田[佐賀県]
    • テーマのある旅 西行法師と春に浸る旅
幼少期から活動し、今や押しも押されもせぬ実力派女優に。ひたむきな眼差しが印象的な志田未来さんです。今回巡った箱根は、何度も訪れている場所なのにまた違う魅力を知った、と旅を振り返ります。プライベートの旅は、いつも自分でコーディネート。細かく計画を立て、しおりまでつくるという綿密さ。一緒に行く相手とつくる思い出が宝物、そんな志田さんの旅観を、真摯に語っていただきました。 写真/藤原晋介 スタイリング/千本松良枝 ヘアメイク/SHIZUE 文/相田玲子

イヤリング9,900円、ネックレス8,800円(ともにイロリエール|ロードス 03-6416-1995)、リング1,760円(ビードットユー|ロードス 03-6416-1995)、ポシェット16,500円(ヴィオドーロ|ジネス ペリエ千葉店 043-301-5030)、その他スタイリスト私物




Special Interview Mirai Shida

神奈川県出身ということもあり、もともと箱根は身近な観光地だったという志田さん。この旅で、今まで知らなかった場所を訪ね、新しい発見ができたのがうれしいと話します。

志田さんにとって、箱根はどんな場所ですか?

撮影が続いてリフレッシュしたいなぁと思ったとき、パッと思いつくのが箱根です。東京から車で気軽に来られるし、距離感的にも魅力なんです。世の中がこうなる前は2カ月に1回とか、多いときはもっと来てました。箱根ってひとくくりじゃなくて、いろいろなスポットがあるから、来るたびに違う表情を見せてくれるんですよね。そんなところも大好きです。

今回の旅で印象に残ったのは?

箱根寄木細工の工房で、寄木体験ができたのがおもしろかったです。ペンギンの形のコースターをつくったんですけど、同じ色の木でもそれぞれ木目が違うので、選ぶパーツによって雰囲気がガラッと変わるんです。あと、ショップに並んでいる作品がすごくシンプルなんだけどおしゃれで、私がずっと大事に持っている秘密箱のような、昔ながらの寄木細工とはイメージが違ってびっくり。寄木細工にこういう一面もあるんだっていう、新たな発見でした。ずっと気になっていた芦ノ湖畔のピッツェリアに今回行けたのもうれしかったです!芦ノ湖で獲れたワカサギのフリットはサクッとしていて身はふわふわで、感激しました。箱根のお野菜のおいしさを知ることができたのも、この旅の収穫でした。

トレンチコート53,900円(ドレスレイブ|ジオン商事 03-5792-8003)、ポシェット16,500円(ヴィオラドーロ|ジネス ペリエ千葉店 043-301-5030)、イヤリング5,800円(イロリエール|ロードス 03-6416-1995)、リング15,400円(masae|ロードス 03-6416-1995)、その他スタイリスト私物



新しくできた早雲山駅の展望テラスや、大改修を終えた富士屋ホテルも訪ねました。

足湯に浸かって、カフェラテを飲みながら眺めた絶景は最高でしたね。雲のモチーフをあしらった建物の中も可愛らしかった。富士屋ホテルに入ったのは初めてで、クラシックな雰囲気がとても素敵だなと思いました。ホテルのギャラリーを見学して、時代を超えて続くおもてなし精神に触れ、たくさんの方に愛され続けている理由がわかった気がします。今回いろいろ巡って、私やっぱり、箱根がすごく好きだなって(笑)。古くから伝わる伝統的なものがたくさんあって、でもそれだけでなく、若い方も楽しめる新しい施設も、写真映えするスポットも多い。どの世代にとっても楽しめる町なんだなというふうに、あらためて感じました。これからもどんどん箱根に足を運んで、もっともっと、いろんな魅力を見つけていきたいです。

旅がお好きなんですね。

好きです。ひとり旅はしたことがなくて、行くのは家族や友だちと。私が計画して、いろいろ手配して、旅のしおりもちゃんとつくって配ります(笑)。「何時から何時はどこ」みたいな感じで、行程をしっかり決めてする旅が好き。思い出の旅をひとつ挙げるなら、7年くらい前に妹と行ったパラオかな。今まで見た海のなかで最高にきれいで、いまだにその話を妹とするくらい印象に残っています。あのときは、もともと行きたかった場所が日程的に合わなくて、旅行会社の方に「海がきれいなところに行きたい」って相談したんです。そうしたら、日本人に優しい国で、女性2人で行っても安全ですよってパラオを勧められました。本当にみなさんすごく優しくて、何も困ることなく穏やかに過ごせました。アクティビティもたくさんあって、2時間くらい小船に揺られて無人島に遊びに行ったりもしました。そこで食べたあのバナナが今までの人生で一番おいしいバナナだったねって、ついこの間も妹と話したところです。

イヤーカフ上6,600円、イヤーカフ下9,350円(ともにイロリエール|ロードス 03-6416-1995)、リング2,750円(オギー|ロードス 03-6416-1995)、その他スタイリスト私物

志田さんにとって旅とは?

思い出づくり、ですかね。ひとりで旅をするのが好きな方も多いと思うんですけど、私の場合は誰かと一緒にいろいろな経験をしたいというのが大きくて。それが旅のテーマでもあります。旅を共にすると、相手の今まで見えなかった一面が見えたりするのが好きです。普段、どんなに親しくても24時間ずっと一緒にいることってあまりないことですが、旅ならそれが何日間も続く。だから、相手のことをより深く知ることができるし好きになれる。それが旅の魅力なのかなと思います。

最近はどんな旅をしましたか?

昨年の初めの頃、うなぎが食べたい! と思って浜松に行きました。たまたま2日間お休みだったので泊りがけで。私の旅って、けっこう思い立ってすぐというのが多いんです。例えば「今週の土日があいてる! じゃあ行こう」っていう感じに。そういう小さな旅でも、もちろんしおりは準備します。前夜につくることもありますよ(笑)。しおりの後ろのほうには必ず日記スペースをつくって、行った先の思い出をそこに書き込んで。これまでの旅のしおりは、大事にずっととってあります。

わたしの旅アイテム

荷物からその人となりが意外に見えるもの。
志田さん、旅に欠かせないグッズを教えてください。

わたしの旅アイテム

中身は統一されてないんですけど、歯ブラシセットは必ず持っていきます。一番のお気に入りはイタリア製の歯磨き粉。すごくスースーするので口の中がすっきりします。モバイルバッテリーは、旅に行くと写真をたくさん撮るので持ち歩いています!

志田未来
志田未来
Profile
1993年5月10日生まれ、神奈川県出身。2006年にドラマ『14才の母』(日本テレビ系)で主演を務め、話題に。2010年に出演した『誰も守ってくれない』で日本アカデミー賞新人俳優賞を受賞。ドラマや映画を中心に数多くの作品に出演し、声優としても活躍中。近作に、ドラマ『監察医 朝顔』(フジテレビ系)、連続テレビ小説『エール』(NHK総合)、本人役で出演の『バイプレイヤーズ~名脇役の森の100日間~』(テレビ東京系)などがある。
撮影協力:富士屋ホテル、cu-mo箱根、星野リゾート 界 仙石原