開湯200年以上の歴史を誇る古湯である山田温泉は、千曲川の支流・松川渓谷沿いに8カ所点在する信州高山温泉郷のひとつです。温泉街の中心に位置するのは、桃山風建築の共同浴場「大湯」。この大湯を中心に8軒ほどの旅館からなり、温泉街を歩けばどこか懐かしい雰囲気が味わえます。また、森鴎外をはじめ、小林一茶や与謝野鉄幹・晶子など多くの文人墨客が訪れたことでも知られており、なかでも森鴎外は滞在先の宿、現在の藤井荘から眺める松川渓谷の景色を大変気に入り、その後紀行文「みちの記」に情景について記しました。1週間ほど滞在していたことからもこの地を非常に好んでいたことがわかります。鴎外が目に留めた絶景をじっくりと味わってみてはいかがでしょう。山田温泉の湯は無色透明で、身体の芯からぽかぽかと温めてくれます。温かい湯に浸かりながら美しい雪景色を眺める、この時期ならではの贅沢気分を楽しみたい温泉です。