金沢・加賀でみつけた日本の伝統美

ドレス30,000円、パンツ29,000円、ベスト50,000円(すべてPLEATS PLEASE ISSEY MIYAKE|03-5454-1705)、イヤーフープ95,000円、リング160,000円、バングル500,000円(ジョージ ジェンセン ジャパン|0120-190-404)、シューズ スタイリスト私物

※表示価格はすべて、税抜表示となります。

撮影協力:柚子屋旅館 金沢 緑草音
撮影協力:柚子屋旅館 金沢 緑草音
SCROLL
Special Interview 藤原紀香・1泊2日のRefresh Trip 金沢・加賀[石川県]
今月のロマン秘湯 天草下田温泉[熊本県]・浅田政志の宿旅 ホテル雅叙園東京[東京都]・あの人の旅カルチャー 松居大悟・小林エリカ連載・旅と創造「文人たちの軽井沢へ」・エリアフィーチャー 安曇野[長野県]
女優として、歌舞伎役者の妻として、公私ともに充実した時間を過ごす藤原紀香さん。最近の旅の楽しみ方は、その土地の歴史や文化を知り、奥深い体験をして、より感性を磨き、大人の教養力を増やすことだといいます。日本を元気にするためにも、これからは国内を旅したいという紀香さんに、これまで訪れた場所での感動や驚きのエピソードをたっぷり語っていただきました。撮影/藤原晋介 スタイリング/今井聖子 ヘアメイク/宮村浩気(AFLOAT) 文/合津玲子

黒ジャンプスーツ69,000円、グリーンジレ80,000円(ローベリイテ アンド シーオー|ドレスアンレーヴ 03-5468-2118)、ネックリング64,000円、ペンダントトップ70,000円、イヤーフック30,000円、バングルウォッチ406,000円(ジョージ ジェンセン ジャパン|0120-190-404)、シューズ85,000円(セルジオ ロッシ|カスタマーサービス 0570-016600)、帽子 スタイリスト私物

※表示価格はすべて、税抜表示となります。


――

Special Interview Norika Fujiwara

旅先での紀香さんはとてもアクティブ。美しい景色に感動し、歴史ある文化施設に興味をもち、あらゆることを真剣に楽しむからこそ、旅がさらに思い出深い体験になるようです。

石川県の金沢と小松を旅しましたが、いかがでしたか?

今回初めて、「安宅の関」に来ました。ここは言わずと知れた歌舞伎の『勧進帳』の舞台ですが、実は夫(片岡愛之助)が京都の南座で片岡千代丸としてデビューしたときの演目が『勧進帳』で9歳の時だと聞いていたので、とても感慨深い場所でした。そして、やはり日本の歴史的な場所なので、皆さんに一度は訪れてほしい場所だなと思いました。が、若いスタッフに聞くと、安宅の関のことも、勧進帳のことも〝知りません〟と。驚きましたが、その演目や歴史を説明すると、「素晴らしい話で感動しました!歌舞伎の〝勧進帳〟を観に行きたくなりました」と言ってくれて。
旅をしてその土地の知らなかったことを得て、文化的背景も知れば、今度はそのご当地が題材の演目なども見たくなるもの。歌舞伎などの伝統文化もぐっと身近なものに感じられるようになるのではと思います。



最近訪れて思い出深かった場所などはありますか?

兵庫県豊岡市には、年に一度 訪れています。出石町には重要文化財のひとつである〝永楽館〟という近畿最古の芝居小屋があり、夫や豊岡市、出石町の方々が一丸となり町興しとして、この11年間毎年、ご当地ものの創作歌舞伎を上演しているんです。私も結婚以来訪れていますが、その度、豊岡の素晴らしさに気づかされています。豊岡は自然との共存に力を入れていて、天然記念物のコウノトリを保護しているので、普通に電柱にコウノトリが止まったりしているのも珍百景(笑)害虫を食べてくれるので、無農薬でお米を育てるのにも一役買ってくれる。コウノトリを保護し共存することで、安心安全なお米が作られます。
それから豊岡といえば、伝統的な革鞄の産地で「豊岡かばん」は質が良く、軽くて機能的なのにリーズナブル。海外からも発注が止まないとか。わたしも愛用していて旅のアイテムとしても欠かせないものになっています。木製ハンガーも日本一ですし、豊岡では毎年、いろいろな出会いがあり楽しいんです。

ワンピース36,000円(YOKANG/ヨーカン)、イヤリング4,300円(ayn’/アヤン)、シューズ スタイリスト私物

※表示価格はすべて、税抜表示となります。

撮影協力:柚子屋旅館 金沢 緑草音

土地の歴史や文化を知ると、旅はぐっと意味深いものになりますね。

はい。美術館や記念館、歴史的な名所、そして、その土地の工芸品を作っているところなどにも行きますね。海外の方に紹介したいですし説明もできるよう、日本人として知っておくべきことを増やしたくて。
そして、必ずといっていいほど、神社やお寺にお参りします。その土地の神様にご挨拶すると、気持ちが良くなりますよね。神様は、イコール自然でもあります。山々や川や、木々や大地。感謝の気持ちをもって、「お邪魔します」とお伝えし、旅がより良いものになりますようにと。

それは素敵な心がけですね。

私がそういう感覚をもったのは、2004年にケニアに行ったとき。このときは、母ゾウに追いかけられたり、大きなイボ猪にメイク道具をかじられたり、寝ているテントにカバが突っ込んできたり、朝ご飯を食べていたら目の前をキリンが悠然と通っていったり(笑普段ではあり得ない驚きの連続でした。考えてみれば、ここは彼らの住処なわけで、私たち人間が勝手に入ってきただけ。私、思わずキリンに、「お邪魔しています!」と言っていました(笑)
動物は大好きで日本国中のサファリパークは、毎年行き癒されますし、自粛期間中はずっと動物の動画を見ていました。
でも野生動物は、本当は怖いんです。だからこそ、大自然、野生動物と対峙するときは、常に畏怖や尊敬の気持ちもきちんと感じながら、旅をします。


身近な土地に、あらため行くこともありますか?

最近だと、大阪の堺市にある百舌鳥・古市古墳群に行きました。昨年、世界遺産に登録されました。堺市は夫の出身地ですし、世界遺産に決まったときは思わずガッツポーズでした。もう一度、きちんとご挨拶をして感じてこようと訪れました。私たちが昔教科書で習った〝仁徳天皇陵〟なのかどうかはまだ確定はできないとされているそうですが、あれだけの規模の古墳を造ったこと、それだけで凄いことだと思います。古墳の前に立つと、圧倒されて口もきけなくなるほど厳粛な気持ちになれます。古代の日本人はすごいですよね。もしかして、宇宙人も手伝ったのかも?!なんてロマンを感じます。

今は日本を改めて旅したいと思うようになったそうですね。

昔は海外に憧れて、いろんなところに行きました。それも素晴らしい経験。そんな旅を経験し思うこともありました。もっと日本のことをちゃんと知らなきゃと。日本を知ることは、日本を元気にすることに繋がります。旅先では、酒造りや菓子作り、紙漉や漆塗り、そして着物工房など、日本の伝統工芸の体験をすることも大好きです。伝統の技を継ぐ世代がどんどん減っているから、多くの世代が旅をすることで各地の古き良きものを見直すきっかけになるのではないかと。「日本文化を楽しむ旅」が、今こそ熟していくときなのではないかと感じています。1日でも早くコロナが収束して、たくさん旅ができるようになればいいですね。

わたしの旅アイテム

荷物からその人となりが意外に見えるもの。
藤原さん、旅に欠かせないグッズを教えてください。

わたしの旅アイテム

兵庫県豊岡市でつくられた〝豊岡かばん〟。キャリーバッグとトートは軽くて持ち運びにも便利。バッグの中に入れる必須アイテムは、袱紗、白靴下、替のマスク、ポチ袋などのエチケットセット。そして、〝ヒカリミライ〟の乳液と、ストレッチしてくれるファンデーションは化粧直しに重宝し藤原さんの愛用品に。

わたしの旅アイテム わたしの旅アイテム わたしの旅アイテム
藤原紀香
藤原紀香
Profile
兵庫県生まれ。神戸親和女子大学英米文学科在学中にミス日本コンテストグランプリを受賞。卒業後、モデルを経て女優へ。CM、テレビドラマや映画、舞台をはじめ、音楽番組の司会や声優として幅広く活躍。カリスマセラピスト役を演じた映画『癒しのこころみ~自分を好きになる方法~』が、現在、全国公開中。