ご多忙な米倉さんにとって、いまの東京の街並みは新鮮な風景だそう。身近な場所でも楽しむその姿勢は、とても軽やか。最近の旅事情を伺ううちに、どこにいても街を楽しむ米倉さんの旅スタイルが見えてきました。

今回の旅のテーマは、“懐かしくて新しい”東京を訪ねることでした。米倉さんも、東京にいろいろ思い出があるのでは？

20代前半でモデルをしていたころは、いろんなところに行っていました。気晴らしに1人で運転して、品川ふ頭とか竹芝のほうに行って、お台場あたりを眺めてみたり。今みたいにきれいに整備されているわけじゃなくて、本当にただの倉庫街みたいなところだったんですけどね。

銀座にもよくショッピングに行きましたね。みゆき通りも好きだったな。15年くらい前に銀座が舞台のドラマに出演したことがあって、その時はロケが大変だった！有楽町の交差点あたりは本当に人が多くて......。
でも、今の東京は本当に知らないところばかり。都内に住んでいても、家の周りと知っているいくつかのお店しか行かなくなっちゃって。東京駅や高輪の新しい駅など、新しくなっているところも全然行ったことがないんです。今回東京をまわってみて、私、知らなくて、損してる！って、思いました。

最近、国内ではどんなところを旅しましたか？

仕事ではなく遠出をしたのは、去年の年末に福岡までお昼を食べに行ったときくらい。何年も前から行こうと思っていたお寿司屋さんがあって、この日なら行けそう！という話になったんです。朝イチで待ち合わせして、福岡に行ってお寿司を食べて。お寿司もおいしかったけど、やっとたどり着いた～！っていう感慨がいちばん（笑）。すぐに帰ってきちゃったけど、それはそれで楽しかったな。
あとは、お正月に浅草に行ったんですけど、その時はあまりの人の多さで、ゆっくり楽しんでいる余裕もなかった......残念。

それはタイミングがよくなかったですね。外国人のお友達も多いと思いますが、日本のことを聞かれたりしませんか？

そうなんです！でも、私よりも外国人の友達のほうが詳しいことが多くて、ちょっと悔しい。だから、今度、外国人向けのガイドブックを買って、そこに載っているスポットを回ってみたいな。意外とマニアックなお店も載っていたりして楽しいんです。外国人の友達と同じ目線で楽しむのもおもしろいし、どこに行ったらいい？って質問されたときに、「それだったらね......」って、教えられるようになりたい。
今回撮影で訪れた星のや東京も、ブロードウェイで共演しているダンサーが、ハネムーンで1週間くらい泊まっていたんです。滞在中にちらっと会った時に、「リョウコ、星のやは最高よ～」と、自慢されました（笑）。だから、来られてよかったな。都内なのに本当に異空間で、旅をしたって気分になれる場所ですね。

海外には、よく出かけられていますよね。

海外に行く時は、できれば2カ月、本当は6カ月くらいの長期で行きたいんです。なぜなら、英語に耳が慣れるのに、2カ月くらいかかるから。だいたい1カ月くらいでちょっと聞こえてきて、あとちょっと慣れれば楽に聞こえるのにな～というところで、帰らなきゃいけないパターンが多いので。思い切って1年、2年と行っている人は、尊敬します！
あと、日本ではほとんど車移動になってしまう分、海外ではとにかく歩きます。ヒールの靴でアスファルトを歩いていると、だいたい3日くらいでかかとが痛くなって靴を替えなきゃ～ってなるくらいです。海外の、何度か行ったことのある都市だったら、街の中のこともよく知ってますよ。売店の場所や、ジュースやベルギーワッフルはここがおいしいとか。

旅のスタイルにこだわりはありますか？

20代のころは、地図を広げて行きたいところはマルを付けたりしてましたね。今は、スマホのGPSでだいたいの方向もわかるし、お店も検索できるから、便利です。知らない街にちょっと長めに滞在できたら、ガイドブックに載っている場所、ほとんど回ったーっていうくらい歩きたい。あとは、友達の友達を紹介されて訪ねてみたり、案内してもらったりすることもあります。
大きな都市に行く時は、舞台を見るのも目的のひとつ。海外で、私が役者をやっていることなんて誰も知らない場所で、観客の一人になって。ただ、おもしろい～って楽しんでるときもあれば、私もこういうのがやりたい！って、モチベーションが生まれることもあります。心の活性化につながる感じかな。あとは劇場のハコ自体を見るのも楽しみで、こういう劇場が日本にもあったらおもしろいな、って考えたりしますね。