テーマのある旅

飲んで、食べて、愛でて、いい気持ち!春にゆるむ観光列車

日本一ゆっくり走る長野・北信濃ワインバレー列車で長野県産ワインと景色を楽しむ

飲んで、食べて、愛でて、いい気持ち!春にゆるむ観光列車
春、うららかな陽気に誘われて、遠出したくなる季節の到来です。今回はそれぞれ異なる趣向から、移動すること自体も楽しめる観光列車を紹介します。地元の料理や美酒をいただいたり、やわらかな春の景色を愛でたり、車内の設えを楽しんだり……。さあ、移動手段から気持ちがゆるむ旅の出発です。
文/宮 和正、佐藤千鶴子(LoLoCreation)

志国土佐時代の夜明けのものがたり

高知県高知市

既存のキハ185系ディーゼルカー2両を改造した車両が、この春デビュー
既存のキハ185系ディーゼルカー2両を改造した車両が、この春デビュー

4月デビュー!
歴史ロマン感じる内装と桜を愛でる

四国・土佐には幕末志士たちの軌跡が今もなお多く残ります。明治維新の立役者となった坂本龍馬を生んだ土佐の自然やグルメを満喫できる列車が「志国土佐 時代の夜明けのものがたり」です。高知駅から「奇跡の清流・仁淀川」や沿線各所に咲き誇る桜を愛でつつ、窪川駅を往復します。車両コンセプトは「文明開化ロマンティシズム」。ダークブラウンを基調とした1号車の「クロフネ」は黒船がモチーフに、2号車の白い「ソラフネ」は龍馬らが夢見た日本の夜明けと未来をイメージしています。さらには、高知の味わいが楽しめる食事も魅力的で、歴史が変わる激動の時代の「ものがたり」を随所に感じられるはずです。

区間/JR四国 高知駅~土佐久礼・窪川駅
運転日/4月18日より運行開始、土曜日・日曜日・祝日を中心に運行、上下便1日各1本
所要時間/約2時間30分
運賃/3,970円 ※高知駅~窪川駅間(運賃・特急料金・グリーン料金を含む)
食事代/事前予約制 各5,000円(税込)
アクセス/電車:JR東京駅から新幹線で約6時間15分
電話/0570-00-4592(8:00~20:00)JR四国電話案内センター

「SORAFUNE」の車内は、未来への“夢”をコンセプトに宇宙船をイメージしている
「SORAFUNE」の車内は、未来への“夢”をコンセプトに宇宙船をイメージしている
“仁淀ブルー”と称される「仁淀川」を渡る
“仁淀ブルー”と称される「仁淀川」を渡る
龍馬脱藩の道と並行して走るので、歴史の足跡をともに辿ることも
龍馬脱藩の道と並行して走るので、歴史の足跡をともに辿ることも
土佐の郷土料理「皿鉢(さわち)風」に盛り付けた洋風の創作料理(高知駅発~窪川駅着の便「立志の抄」で提供)
土佐の郷土料理「皿鉢(さわち)風」に盛り付けた洋風の創作料理(高知駅発~窪川駅着の便「立志の抄」で提供)
菜の花などが咲く北信濃の田園風景や雄大な山並みを観賞できる
菜の花などが咲く北信濃の田園風景や雄大な山並みを観賞できる

長野県長野市

北信濃ワインバレー列車

ワイン6~8種類が飲み放題。10分に1種類のワインを味わえる計算だ
ワイン6~8種類が飲み放題。10分に1種類のワインを味わえる計算だ
湯田中駅発の上り線車内で食べられる和食ダイニング「Japanese Dining GOEN」ののんびりべんと
湯田中駅発の上り線車内で食べられる和食ダイニング「Japanese Dining GOEN」ののんびりべんとう

ワイン飲み放題のお酒旅に興じる

展望席のある人気特急車両・ゆけむり号を使った観光列車。北信濃の雄大な山容を車窓越しに眺めつつ、地元ワイナリーで醸造されたワインが飲み放題というからお酒好きには嬉しい限りです。距離にしてわずか33kmほどの距離を70分かけて走行する列車は、北信五岳に古くから修験の山として知られる「飯綱(いいづな)山」、国の天然記念物「十三崖」、滔々と流れる「千曲川」など、長野の自然をゆったり、のんびり楽しめます。長野発の下りは老舗ホテル犀北館のレストラン「Delica鐵扇(デリカテッセン)」、上りは湯田中温泉郷の「Japanese Dining GOEN」が提供する駅弁「のんびりべんとう」は、ワインのおつまみとしても最適。

区間/長野電鉄長野駅~湯田中駅
運転日/土曜日・日曜日・祝日、上下線1日各1本
所要時間/約70分
料金/事前予約制 6,000円(お弁当代含む)
アクセス/電車:JR東京駅から新幹線で約1時間30分
電話/026-248-6000(平日9:00~17:30)
026-226-2681(土曜日・日曜日、祝日9:00~20:00)

車内中央のカウンターでワインを注いでもらえる
車内中央のカウンターでワインを注いでもらえる

福岡県福岡市

THE RAIL KITCHEN CHIKUGO

矢部川橋りょうなどからの景色は水の郷・柳川を感じられる
矢部川橋りょうなどからの景色は水の郷・柳川を感じられる

“走るレストラン”に舌づつみ

“地域を味わう”をコンセプトにした旅列車。内装は八女の竹を使用した竹編みの天井、仕切り壁は城島瓦、インテリアもこれまた地元・大川の家具を採用し、地域資源にこだわっています。車両以上に注目なのが「食」。ランチ・ディナーコースの一番人気は、筑後平野で収穫された小麦、旬の食材を列車内の窯で焼き上げたピザです。地元食材をふんだんに使ったフルコースも定評があります。また、観光名所・太宰府へ走るブランチコースでは、人気店のホットドッグや旬野菜のスープ、フルーツなどが楽しめます。

区間/西鉄福岡(天神)駅~大牟田駅
運転日/金曜日・土曜日・日曜日・祝日、1日3本
所要時間/ブランチ約40分、ランチ&7ディナー約2時間30分
料金/事前予約制(ブランチは当日券あり)
ブランチ3,300円、ランチ&ディナー8,800円(運賃及び食事代含む)
アクセス/電車:JR東京駅から新幹線・福岡市交通局空港線で約5時間20分
電話/0570-00-1010(6:00~24:00)西鉄お客さまセンター

多くの地元の職人が手がけた内装は落ち着く雰囲気
多くの地元の職人が手がけた内装は落ち着く雰囲気
キッチンクロスをイメージしたスタイリッシュな外装
キッチンクロスをイメージしたスタイリッシュな外装
ダイニング車両には窯が設置されている
ダイニング車両には窯が設置されている
地元の旬の食材をふんだんに使用した料理は、できたてで提供される
地元の旬の食材をふんだんに使用した料理は、できたてで提供される
“べるもんた”の愛称で親しまれる列車の名は、美しい山と海をフランス語で表現したもの
“べるもんた”の愛称で親しまれる列車の名は、美しい山と海をフランス語で表現したもの

ベル・モンターニュ・エ・メール

富山県高岡市

つり革の持ち手は高岡銅器を連想させる銅箔をあしらい、窓枠は額縁風にデザインされるなど、走るギャラリーのよう
つり革の持ち手は高岡銅器を連想させる銅箔をあしらい、窓枠は額縁風にデザインされるなど、走るギャラリーのよう
南砺市の伝統工芸品である井波彫刻が8作品展示されている
南砺市の伝統工芸品である井波彫刻が8作品展示されている

海と山の2つの風景と伝統工芸に触れる

高岡を起点に海沿い・山沿いを走る観光列車。海岸線を行く氷見線は富山湾越しに立山連峰を望む「雨晴(あまはらし)海岸」、山側はチューリップで有名な「砺波(となみ)平野」と2つの風景が楽しめます。クラシックな外装もさることながら、車内には富山の伝統工芸品である、庄川挽物木地(しょうがわひきものきじ)の茶碗や越中三助焼の湯飲みなどが展示されているところも特徴です。また、観光列車では珍しく寿司職人が乗車し、寿司を握ってくれます。富山湾で揚がる新鮮な海の幸と沿線の地酒を味わいながら、心ゆくまで富山の景色を堪能できます。

区間・運転日/
土曜:城端線 高岡、新高岡駅~城端駅
日曜:氷見線 新高岡、高岡駅~氷見駅
上下各1日2本
所要時間/城端線約40分、氷見線約50分
料金/運賃・座席指定券(おとな530円、こども260円)
※食事は、乗車3日前17:00までにVISIT富山県(https://toyama.visit-town.com/)にて「事前予約」を行う必要あり
アクセス/電車:JR東京駅から新幹線で約3時間
電話/JR西日本お客様センター 0570-00-2486

富山湾で水揚げされた紅ズワイ蟹と白エビのお造りは絶品
富山湾で水揚げされた紅ズワイ蟹と白エビのお造りは絶品

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