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山口紗弥加 スペシャルインタビュー

出演作ごとに強い印象を残す、演技派女優、山口紗弥加さん。その素顔はふんわり可憐、そして相当アクティブ!人生に欠かせないという旅、そのスタイルもほれぼれするほど“男前”です。自分自身を見つめ、冒険と挑戦を追い求める、アグレッシブな旅の話は尽きません。
春の海は、やさしくってなんだかほっとする
Special Interview Sayaka Yamaguchi
旅に出るのはなんでもない自分に出会うため。
Special Interview Sayaka Yamaguchi

少しでも時間ができると旅に出る、と話す山口紗弥加さんはとても軽やか。インスピレーションや出会いを大切に、気になる場所に出かけるそう。その原動力や印象的な旅について伺いました。

旅がお好きなようですね。

大好きです。時間ができると車を飛ばしてブーン!と行っちゃう。休みが1週間あったら迷わず海外へ。もともと温泉がすごく好きで、日本各地や海外の温泉に癒しを求めて行ってたんです。でも、ここ5年くらいかな、旅の形が変わってきて。まだ知らない自分も含め、“未知との遭遇”を求めて、冒険するみたいに旅に出るようになりました。変わりたかったというか、何かを変えたかったんだと思います。それが、手っ取り早く旅につながったのかな。

“未知との遭遇”の旅、気になります!

例えば旅の期間が2週間だとして、絶対に行きたいところは1日に1つか2つ、多くて3つを限度に決めておくんですが、それ以外は基本フリーにしておくんです。行く先々で出会った人のおすすめや情報を頼りに、“風まかせ”で進みます。レンタカーを走らせて、気に入った町に泊まったり。そうやって、東南アジアも、フランス・スペイン・ポルトガルあたりのヨーロッパも回りました。あちこち回りすぎちゃって、「あれ?今はどこの国にいるんだっけ…」となることも(笑)。勧められると、一応スマホで調べて、よさそうだと感じた瞬間にはもう出発してるんですけど、時にはその情報と肉眼でとらえたものとのあまりの差異に「全然違うじゃん!」ってなることも。「宿も1軒もない!!」みたいなこともありましたし。でも、それすらもおもしろいなと楽しめるたくましさは身についたかもしれないですね。クタクタになって帰ってくるような無謀な旅ばっかりしてました。

Special Interview Sayaka Yamaguchi

すごいですね。そういう旅はお一人で?

ひとりだと危険な場所も多いので、友達と。もし何かが起こっても隣に友人がいてくれるっていう心強さがありますよね。精神的保険(笑)。ひとりでもそんな旅ができるようになりたいとは思うんですけど、それには最低でも1カ月、2カ月は欲しいかな。いつかは挑戦したいです。友人とは、道中ケンカすることも。それでも旅は続くから、しこりは残っても一旦、忘れる。そんなことは、圧倒的な大自然とか、思いがけない親切だとか、奇跡としか思えないような出会いの中で本当に忘れちゃうんですよ。最後の最後に「悪かった」「私も悪かった」って。潔く「ごめんなさい」を言い合って、「じゃあまたね」「ありがとう」と手を振って解散(笑)。仕事柄、時間がふいに空くこともあるので、急な予定変更もストレスに思わずにいてくれる友人を何人か捕まえておいて、そのときタイミングが合う人と行く感じですね。旅の発案は私ですが、友人の意見や気分も尊重して。

未知の自分には出会えましたか?

いつも無力で何者でもない自分を思い知る、それに尽きます。この仕事をしていると、マネージャーが盾となりいろいろをサポートしてくれるうえ、いろんな人が優しくしてくださるので、それに甘えて勘違いしてしまうことがあります。でも、一度外に出てしまうと、見知らぬ人間を無条件に助けてくれる人なんてそうはいませんから。何でもない自分を確認するために旅に出るっていう感じです。自分で全部できていると勘違いしないように。「一人では生きられないよ、君は」って思い知って(笑)、たくさんの”ありがとう”を思い出す、そんな感じです。

Special Interview Sayaka Yamaguchi

これまでに、人生の転機になったような旅はありました?

一昨年、バリ島のウブドでムルカットというバリ・ヒンドゥー教の禊の儀式を受けたんです。滝行なんだけど、光に満ち溢れた写真を書店で見て、どうしても行きたくなってしまって。ちょうど初めての主演ドラマを撮り終えた直後で、心が切り替えを欲していたときでした。現地のコーディネーターさんが敬虔な信者の方で、こんな“にわか”な観光客に対してもすばらしいアテンドをしてくださって。人間が自然によって生かされていることを改めて教えられました。首がもげそうな水圧の滝に打たれて、執着、恐れといった不要なものが体の外へ流れ出ていくのも信じられました。例えるなら、線路が分岐して別のレールに繋がったような、何かが少し、だけど確実に変わりはじめていて、新しい回路が生まれた感覚。そこから、一つひとつのことに対しても恐れず向き合えるようになった気がしますし、自分というものを先ずはそのまま受け入れることがスムーズにできるようになりました。

最近はどんな旅を?

本当にハードな旅が続いたので、今回ばかりは癒されたいと思ってハワイに行きました。で、結局何をしていたかというと、朝はサーフィン、日中2、3時間サイクリング、その後ダイヤモンドヘッドを小走りで登って、とか。気づいたらトライアスロンの選手みたいなことに(笑)。でも、あのハワイ特有のじんわりとあたたかい空気感に癒されて、ほとんど疲れは感じなかったです。食べて、動いて、遊んで、ぐっすり寝て。とても健康的な時間を過ごして、本来の「私」を取り戻した気がします。

Special Interview Sayaka Yamaguchi

国内の旅も、やっぱり予定を詰め込まないほうですか?

そうですね。余裕をもっていたほうが、得られるものが大きいと思う。ガイドブックと自分の頭の中にある僅かな情報だけで計画を立てていたら、もうその域を出られないと思うんです。あわよくば、プラスのなにか、“ギフト“がもらえるんじゃないかと期待して、いつも旅のスケジュールには空きをつくるようにしています。ただ、何もせずにのんびりっていうのは苦手なんですけど(笑)。とにかく動く! 動いて、五感をフル稼働させて、疲れ果てて寝る。夢も見ないほどに熟睡して、夜明けとともに起きる。そんな旅です。

これからしたいのはどんな旅ですか?

ハワイで十分癒されたので、次の旅はまた風まかせかな。もう少し時間をかけて、ひとつの町に2、3日滞在できるような、そういうゆったりとした旅ができるといいですね。ここからは働き方改革で(笑)、公私のバランスがとれた豊かな生活を夢見ています。海を越えて外に出ると、想像もしないようなダイナミックな何かが得られますし、やっぱりそれが旅の醍醐味ですね。

Special Interview Sayaka Yamaguchi
山口紗弥加

1着目/ジャケット7,000円(スズキ タカユキ 03-5846-9114)、トップス14,000円、スカート22,000円(ともにヴェリテクール 092-753-7559)、イヤリング15,000円(ドナテラ・ペリーニ|日本橋三越本店 本館3階ミグジュアリー 03-3274-8248)、ストール20,000円(ナチュラル・ベーシック|インターモード川辺 0120-077-927)

2着目/コート190,000円(シクラス 03-6280-7712)、シャツ21,000円(フィンナ 03-6805-0886)、パンツ43,000円(スタジオ ニコルソン|キーロ 03-3710-9696)、イヤリング18,000円(チェリーブラウン 03-3409-9227)、靴23,000円(ホーマーズ|プレインピープル青山 03-6419-0978)

3着目/ワンピース38,000円、パンツ28,000円(共にスズキ タカユキ 03-5846-9114)、プリーツアクセサリー29,000円、サンダル39,000円(共にエンフォルド 03-6730-9191)、イヤリング25,000円(ドナテラ・ペリーニ|日本橋三越本店 本館3階ミグジュアリー 03-3274-8248)

※表示価格はすべて、税抜表示となります。

山口紗弥加
Profile
1980年2月14日生まれ。福岡県出身。ドラマ『若者のすべて』(フジ系)で女優デビュー。幅広い難役を演じ切る確かな演技力に定評があり、2018年に『ブラックスキャンダル』(日本テレビ系)で連続ドラマ初主演。次クールの『絶対正義』(フジ系)でも主演を務め、以降も『モトカレマニア』(フジ系)、『歪んだ波紋』(NHK BSプレミアム)、『シロでもクロでもない世界で、パンダは笑う。』(日本テレビ系)など、話題作に続々出演。2020年4月24日(金)に公開予定の、映画『糸』にも出演している。