朝の帯番組のMCを務められていた4年半は、旅にでるのも難しかったのでは?
朝の番組は、あれもスタジオへの旅というか。初めての世界に踏み込んで、自分自身を俯瞰できたという意味では“旅”だったんですけどね。でも本当の旅とは違うから! そりゃもう日々思っていました、「なんとかして旅はできないのか?」って(笑)。国内なら行けると思って何回か試しましたね。ただ、もし飛行機が飛ばなかったらと思うと怖いので1泊まで。仕事の前日には帰っていることが絶対でした。1週間あった夏休みも、今行きたい南米とかに行くには微妙な日数なんですよ。ええ、飢えてました私、旅に(笑)。番組が終わって、2週間休んでいいと言われたんですけど、次の舞台の台本をいただいて開いてみたら、1冊しゃべりどおしで。旅先でも読むことになるから、精神的に休まらないなと思ってやめました。結局その間も、旅には全然行けなかったです。
その舞台『正しいオトナたち』は、兵庫と名古屋でも上演されましたね。そのときは旅の感覚もありました?
旅です、旅です! とくに兵庫公演の劇場は西宮。自分が育った宝塚の沿線でもありますから、懐かしい空気を浴びながら町を眺めるだけで心が開放されました。宝塚にいた当時は、市内を歩くと先輩や後輩とおじぎし合ってばかりになるので、隣の西宮に足を延ばすことも多かったんです。名古屋には1日しかいられませんでしたけど、定番の場所にはしっかり行けたし。いつも地方公演は旅気分になれますね。宝塚で全国ツアーをやっていたことと、転勤族の家に生まれたこと、この2つでよけいそういう感覚になるのかも。点々と移動することが面白くて「もっと違う町を知りたい」って思っちゃうの。今も東京で、わりと引っ越し魔なんですよ(笑)。常にいろんなところに旅したい。大きさに違いはあれど、町の中にも旅はあります。