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冬の長野で、深呼吸。
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矢田亜希子 スペシャルインタビュー

強い光を宿した大きな瞳が印象的で、確かな演技力で存在感を放つ女優、矢田亜希子さん。トーク番組などで見せる飾らない表情も素敵です。非日常の楽しさに魅せられた、根っからの旅好きだそうで、家族での旅を語るなかでは、小学生男子のママとしての顔もチラリ。旅への思い、じっくり聞かせていただきました。
凛とした空気が、私をリセットしてくれる。
Special Interview Akiko Yada
Special Interview Akiko Yada
日常が愛しいものとしてベースにあるから時々そこから離れて味わう非日常が楽しい。
Special Interview Akiko Yada

旅好きを自覚したのはいつ頃ですか?

幼い頃からよく両親に旅行に連れて行ってもらっていて。子どもながらに、現実から離れるワクワク感みたいなものを味わっていました。普段とはやっぱり気分も違うし、大好きでしたね。旅の面白さにはっきり目覚めたのは、たぶん20歳のときに、母と行ったパリの旅。母とパリをたくさん歩きました。美術館巡りもたくさん。そのなかで1人で街を歩いてメトロにも乗っちゃってみたり。言葉も通じない国ですごくワクワクするのと同時に、ちょっぴり不安や怖さもあって、それがとても印象に残っています。「こうやって海外でもひとりで歩けるんだ!」とも思えたし、「これが“旅”っていう感覚なのかな」って。レストランに入ってもメニューすら読めないなかで、けっこうがんばってましたね。そういうのも全部が楽しくて、そのとき、もっといろいろ知らない土地に行きたいなぁっていう思いが芽生えた記憶があります。

いろいろな国にいらっしゃったのでしょうね。

20代の頃、子どもを産むまでは、1年間ですごい回数になるくらい海外に行っていた時期もありましたね。で、世界中を旅しているうちに、やっぱり日本って最高だなぁって思うようになったんです。だって、何でも揃ってるじゃないですか。料理もおいしいし、安全だし。どこに行っても衛生的できれいだし。これからは、そんな日本も旅したいなって。あらためて考えてみたら、国内でも行ったことないところがありすぎる! 日本の素晴らしいところをもっと見つけたいと思って数年前からは、海外よりも国内に目が向いてます。

最近ではどんな旅をなさいましたか?

夏休みに家族で沖縄に行きました。すっごく楽しかった! 離島巡りの旅だったんです。古い友人が石垣島にお店を出したので、みんなで「がんばって!」って言いに行こうと思ったのがきっかけ。そういうきっかけって大きいですよね。それがあるだけで、遠くへも気軽に行けちゃう。「ちょっと顔を見に行こう」みたいなノリでした。で、石垣島に行くんだったらこの島も、あの島もって、欲が出てきちゃって(笑)。やっぱり都心から離れると、何もかもが違うんですよ。例えば由布島では水牛が引いてくれる乗り物に乗ったんですけど、本当にのんびりしてて、水牛の気分次第で止まったり、道を渡れなかったり。都内では水牛なんて歩いてないですもんね。その現実離れした感じがたまらなく面白かったです。

息子さんと一緒にする旅も、小さい頃と変わってきましたか?

そろそろ親の思うとおりには動いてくれなくなる年齢ですし、どうにか一緒に楽しめることはないかなって。キャンプに行ってみたり、いまは様子見です。なんだか今すでに、もうちょっといろんなところを一緒に旅したかったなって後悔してます(笑)。もっといっぱい行っとけばよかった~って。だって、もう言いますもん、「嫌だ」って。「え~、つまんなそう」とか「温泉興味ない」みたいになってきちゃってる。まあ、あちこち連れて行ってたほうだとは思うんですよ。でもね、もっといろいろなものを見せたい。美術館巡りもしたいし、たくさんの山を見たりとかも。一緒に行ってくれるといいんだけど、どうかなぁ。

育って離れていくのは寂しいでしょうけど、でもそうなったら、矢田さん自身の旅が楽しめるようになりますよね。

そう! そうですよ! そりゃあずっと親と一緒に行動なんてつまらなくなる時期ですからね。親と旅行なんて、友だちと一緒じゃないとつまらない、という気持ちもよくわかります。なので、そうなったら私自身、これからもっと自分の時間を持てるようになるわけだから、ゆっくり好きな旅がしたい。そういうのを今から計画しています。親友ともよくそんな話をしてるんですよ。

Special Interview Akiko Yada

旅支度については、何かこだわりがありますか?

日常使っているものは全部持って行きたいタイプなので、いつもけっこう大荷物です。ただ、「アロマとそれを焚くものは必ず持って行く」とか、「枕は絶対これ」とか、昔あったこだわりはなくなってきちゃった。そのぶん自由に、どこにでも行けるようになったともいえるかな。そうなれたらいいなっていう理想もあります。私もけっこう周りから見れば行動的で、「すごくフットワーク軽いよね」って言われるんですけど、もっとすごい人がいますから。「えっ! また飛行機乗ってるの?」みたいな。あれこれ考えずにパッとすぐどこへでも行けて、どこに行ってもその土地で楽しいことを見つけられる、そんな達人に憧れますね。

矢田さんにとって旅とは?

日常の生活が愛しいものとしてベースにあるのが前提で、たまにそこから離れて味わう非日常の楽しさ。いろいろ吸収できるし、リフレッシュした~っていう気分になります。一番見たいと思うのは海! 海が好きですね。旅先は別に、遠くじゃなくてもかまわない。神奈川の海なら都内から車ですぐ行けちゃうので、ドライブがてら運転してしょっちゅう行ってます。砂浜を犬と歩いて、テラスでちょっとお茶して、波の音が聴けたらそれだけで満足。私、そういうのが大好きなんです。

矢田亜希子

コート 37,000円、デニム 16,000円(ともにN.O.R.C by the line|N.O.R.C 03-3669-5205、ピアス 68,000円、リング 80,000円(ともにVENDOME AOYAMA|ヴァンドーム青山本店 03-3409-2355)、その他スタイリスト私物

ピアス 8,500円(Plus Vendome|プラス ヴァンドーム そごう横浜店 045-451-5857)、バッグ 158,000円(GLOBE TROTTER|グローブ・トロッター 銀座 03-6161-1897)、その他スタイリスト私物

すべてスタイリスト私物

※表示価格はすべて、税抜表示となります。

矢田亜希子
Profile
1978年12月23日生まれ。神奈川県出身。1995年、ドラマ『愛していると言ってくれ』で、主人公の妹役を演じて女優デビュー。『やまとなでしこ』『恋ノチカラ』『トップキャスター』等の多くの人気ドラマに出演。2002年『マイリトルシェフ』では連ドラ初主演を果たした。最近はバラエティ番組にも多く出演。幅広い支持を集めている。