滝は落ち方によって名称が異なり、水が落ちる場所から滝つぼに向かって一直線に流れ落ちる滝「直瀑(ちょくばく)」や、地層の中の水が崖の途中から流れ出て滝となる「潜流瀑(せんりゅうばく)」などがあります。日本の滝で一番落差があるのが、富山県の「称名滝(しょうみょうだき)」で落差350m、次に北海道の「羽衣の滝」で270m、奈良県の「中の滝」で250mです。これらの滝は水量も豊富で、迫力ある姿を楽しめます。
滝が観光場所として親しまれるようになった理由として、パワースポットだという点も欠かせません。古来より、滝は信仰との結びつきが強く修行の場として人々の生活に関わってきました。滝に打たれることによって、穢れが清められると信じられたためです。滝行体験ができる場所もあり、頭や心をすっきりとさせたい人はおすすめ。大人女子にもひそかなブームとなっています。
滝は常に流れ落ちているイメージですが、ある条件下でないと見られない滝も。近年、“幻の滝”と呼ばれ人気の「おしらじの滝」。澄んだブルーの滝つぼの美しさで話題になりましたが、そこに流れ落ちる滝は、雨が降った後でないと現れません。その希少性と流れ落ちる滝の美しさに注目が集まり、多くの観光客が訪れるように。
幻と呼ばれる多くは、手つかずの自然の中にあったり、限られた条件のもとでしか見られなかったりする滝です。壮麗な滝と出合い、自然のパワーを感じながら、マイナスイオンでリラックス体験をしませんか。
※滝の見学は十分注意して、自己責任で行ってください。
雨上がり後に出現
幻想的な世界が広がる
「しらじ」とは壺を指し、そこに流れ落ちるため「おしらじの滝」と名付けられました。澄んだブルーの滝つぼがあり、それを覆うように岩や木々が周りを囲い、幻想的な雰囲気が漂います。通常は沢に流れる水の量が少ないため、滝つぼがあるだけ。しかし、数日雨が降り続いた後は沢の水が増加し滝が出現します。ブルーの滝つぼに流れ落ちる滝の姿は、息を飲むほどの美しさ。雨降り後、晴れた日の午前中に見る「おしらじの滝」は、水が太陽の光に反射してきらきらと輝き、さらに神秘的で美しく見えるでしょう。最寄りの駐車場から山道にある遊歩道を10分ほど下った場所にあり、辺り一帯は、スマホや携帯の電波が圏外になったり、遊歩道は滑りやすくなったりしているため注意して進んでください。滝を見た後は、山の駅「たかはら」で滝をイメージしたブルーの「おしらじソフトクリーム」を。
アクセス/車:矢板ICから山の駅たかはらまで車で約40分⇒山の駅たかはらから那須塩原方面にある駐車場まで約5分⇒駐車場から遊歩道を歩いて約10分
電話/0287-43-1515(山の駅たかはら)
雨の多い季節は落差日本一
落差350mで日本一の高さを誇る「称名滝(しょうみょうだき)」ですが、ある時期になるとさらに落差のある滝が出現。落差500mといわれる「ハンノキ滝」です。4~7月の雨の多い季節や雪解けの時期に、「称名滝」の右側に現れます。さらに水量が多ければ、周辺に「ソーメン滝」と呼ばれる滝も。「ハンノキ滝」は、富山と長野を結ぶ立山黒部アルペンルートを走る、立山高原バスの車窓からも見られます。また、滝の近くには展望台が用意されており、ごうごうと音をたて迫力ある滝の流れを楽しめます。山肌を流れ落ちる2本の滝と山々の景色は美しく、圧倒されるでしょう。「ハンノキ滝」へは、立山駅より称名滝探勝バスに乗って。滝つぼまでの遊歩道から見える切り立つ岩壁の景色も楽しみのひとつです。
アクセス/車:北陸自動車道立山ICから約50分⇒徒歩約30分
バス:富山地方鉄道立山駅から称名滝探勝バス称名滝行きで約15分⇒徒歩約30分(称名滝探勝バス通行期間4月下旬~11月中旬)
電話/076-432-2819(立山黒部アルペンルート)
波と滝の水がぶつかり合い
海に直接流れ落ちる
伊東市内を流れる対島川(たじまがわ)。その先にある「対島の滝」は、滝口から直接水が城ヶ崎の海に流れ落ちる珍しい滝です。普段はただの崖壁ですが、大雨が降った後川の水量が増加した際に滝の姿が現れます。滝口から流れ落ちる水と海の波がぶつかりあう迫力ある見た目だけでなく、音でも見る者を圧倒します。2016年には、滝が見える場所に展望台が設置され、安全に鑑賞できるようになりました。展望台までは、対島川の流れを眺めながら川に沿って遊歩道を進んで。付近には全長60m、高さ18mの橋立つり橋や、岩焦にあり潮が溜まって天然プールのようになる「大淀・小淀」が。「大淀・小淀」からも対島の滝が見られます。滝が流れているかについては、見に行く前に観光協会に問い合わせてみるのがおすすめ。
アクセス/電車:伊豆急行伊豆高原駅から徒歩約20分
電話/0557-37-6105(伊東観光協会)
マングローブを進んで
県下最大落差の秘境の滝へ
沖縄県下最大の落差55mを誇る滝「ピナイサーラの滝」が西表島にあります。この滝へは、ツアーに参加して行くのが基本。カヌーに乗ってマングローブ生い茂る川を渡り、亜熱帯の植物が生息する山を登ると、西表島の奥深くで流れ落ちる「ピナイサーラの滝」に出合えます。雨降り後などは水量が増加し、滝つぼに流れ落ちる水は激しく、大迫力の滝を間近で見られます。滝つぼでは泳いだり浮かんだりと、滝つぼ遊びを楽しむことも。ツアーでは、普段出合えない南国の植物たちにも注目です。滝に向かう途中では、根が特徴的な木「サキシマスオウノキ」が生息しています。樹高18m、板根の高さは最高3.1mと板のようになった高い根が何枚も見られます。さまざまなツアーが用意されているので、興味に合わせたコースを選んで。日常とは違った南国の地で、幻のような世界を楽しみましょう。
アクセス/車:石垣空港から離島ターミナルまで車で約25〜30分、路線バスで約45分⇒離島ターミナルから高速船で約40〜45分、貸客船で約1時間45分
電話/0980-82-5445(竹富町観光協会)