浅川町は、田園地帯に囲まれた自然豊かなまち。江戸時代から花火を打ち上げている“花火の里”として知られ、見学施設をはじめ、市街地には歴史文化を感じさせるスポットが点在しています。そんなまちの魅力をダイジェストで知れるおすすめのコースや、年間を通して開催される、目に焼き付けたい浅川の花火について紹介します。
写真/福井麻衣子 スタイリング/石川奈央
ヘアメイク/山田佳苗 文/若宮早希
浅川町は、田園地帯に囲まれた自然豊かなまち。江戸時代から花火を打ち上げている“花火の里”として知られ、見学施設をはじめ、市街地には歴史文化を感じさせるスポットが点在しています。そんなまちの魅力をダイジェストで知れるおすすめのコースや、年間を通して開催される、目に焼き付けたい浅川の花火について紹介します。
写真/福井麻衣子 スタイリング/石川奈央
ヘアメイク/山田佳苗 文/若宮早希
浅川町に到着したら、まずはまちの歴史文化を紹介する資料館へ。福島県内最古といわれる伝統の花火大会「浅川の花火」にまつわる資料や、昭和初期の暮らしがわかる生活用品・道具などが展示されています。花火に関する資料は、各家庭で花火が製造されていた当時の秘伝帳や花火づくりの道具など、どれも貴重なものばかり。花火玉の模型は、実際に触ったり持ち上げたりすることも可能です。重さ約8kgの尺玉の模型を持ってみた本田さん。「見た目よりもずっしり重いです!」とびっくり。また、花火大会を主催する荒町青年会の方から名物の仕掛け花火「大からくり」の話を聞くと、「実際の花火大会を見てみたくなりました」と興味津々でした。
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住所/浅川町背戸谷地144-6
電話/0247-36-2297(浅川町教育委員会)
時間/9:00~16:00
定休日/土・日曜日、祝日
料金/入館無料(要事前予約)
磐城浅川駅の近くにある食事処「天麩羅 まるみ」は、福島県の地酒と天ぷらが味わえると地元で評判のお店です。本田さんがランチにいただいたのは、お店の名物の特製ジャンボ天丼! 長さ30cmほどもありそうな特大の有頭海老を、丸ごと豪快に揚げた天ぷらが主役です。さらに、天丼と一緒に小さな花火もついてくるというサプライズも。お盆の上でパチパチと爆ぜる小さな花火に「かわいい~」と思わず笑顔になった本田さん。「海老の味がしっかりしていてすごく食べ応えがあります。野菜の天ぷらも甘くて美味しい!」と大満足でした。国産鰻を使い、40年間継ぎ足しのタレで仕上げたうな丼など、天ぷら以外の料理も絶品です。
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住所/浅川町本町西裏88
電話/0247-36-2115
時間/10:00~14:00、17:00~21:00
定休日/不定休
浅川町出身の吉田富三博士は、ガン研究の先駆者として世界的に有名な医学者。「吉田富三記念館」は吉田博士の功績を称え、後世に伝えるために作られた記念館です。館内では写真パネルや映像、当時の資料などが展示され、博士の生涯や研究内容などをわかりやすく伝えています。粋な趣味人だった吉田博士の洋服やパイプのコレクションといった私物の展示もあり、誰でも楽しめる内容になっています。「実は偉人の記念館が好き」という本田さん、館長のお話をじっくり聞きながら館内を回りました。記念館の建物は、吉田博士の生家が造り酒屋だったことから酒蔵をイメージした近代的なデザインになっています。花火のステンドグラスもあるので要チェック。
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住所/浅川町大字袖山字森下287
電話/0247-36-4129
時間/9:00~16:30(最終入館16:00)
定休日/月曜日、第2・第4日曜日 (祝日の場合翌日休)
料金/大人400円、高校生250円、小中学生無料
寛永4(1627)年頃に開山された曹洞宗の寺院・貫秀寺。大正時代に建立された薬師堂には、福島県唯一の即身仏である弘智法印 宥貞(こうちほういん ゆうてい)が安置されています。宥貞は安土桃山時代に出雲国松江に生まれた僧侶で、浅川町にあった小貫東永山観音寺の住職を務めていましたが、当時流行していた伝染病から民を守るため、即身仏となりました。即身仏とは、厳しい修行で体内の水分や脂肪を落として土中の室に入り、自らの身を捧げて仏となること。深い慈悲の表情をたたえた即身仏に思わず見入ってしまった本田さん。手を合わせて祈りを捧げました。堂内には宥貞が入定した際に使った木桶と石棺が展示され、町指定の文化財ともなっています。
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住所/浅川町大字小貫字宿ノ内63
電話/0247-36-2815(浅川町企画商工課)
時間・定休日/要事前予約
料金/大人300円、中高生200円、小学生100円
城山公園は、浅川町の中央に位置する標高約407mの山。鎌倉時代から戦国時代にかけて町をおさめていた、浅川氏の居城・青葉城があった場所です。現在は公園として整備されていて、眼下には市街地と田園地帯が広がる浅川町のまち、遠くには那須連峰を一望するという絶好のロケーション。地面に直接設置して破裂させる浅川ならではの名物花火「地雷火(じらいか)」を打ち上げる場所でもあり、山肌に大きく空いた打ち上げ跡の穴が残るなど、地元民にとってなじみの深い場所です。春は桜やツツジが咲くお花見スポットとしても人気なのだとか。「いい眺め!」と景色を楽しんだ本田さん、「旅したまちを最後に眺めるって素敵ですね」と1日を振り返りました。
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住所/浅川町大字浅川字城山
電話/0247-36-2815(浅川町企画商工課)
時間・定休日/見学自由
1日の最後は、コーヒーの香り漂うカフェでひと休みしましょう。ATRY Café & Barはのどかな田園風景の中にあり、ガラス張りの開放的な店内でくつろげるお店。世界各地のコーヒー豆を、エスプレッソマシーンやハンドドリップで丁寧に淹れた、バリエーション豊かなコーヒーが自慢です。パスタやハンバーガーといったフードメニュー、ワッフルやパンケーキなどのスイーツもあり、時間帯を問わず利用できます。本田さんがいただいたのは、見た目もかわいいチョコミントラテ。やさしい甘さに「旅の疲れが癒されます」としばしのんびり。店内では、ATRY Café & Barオリジナルでブレンドしたコーヒー豆も販売しているので、お土産に買って帰るのもおすすめです。
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住所/浅川町大字染字中内331-1
電話/0247-36-3429
時間/11:00~16:00、18:00~21:00(LO20:30)
※変動あり。公式インスタグラムを確認
定休日/不定休
提供/a.ru.ku出版株式会社
花火の里・浅川町では、一年の間に4度の花火大会が開催されます。特に夏の「浅川の花火」は、大小数千発の打上げ花火が夜空を彩る風物詩として有名です。その他にも特色の異なるイベントが催行され、季節の訪れを教えてくれます。
江戸時代中期に始まったといわれる、300有余年の歴史をもつ花火大会。「寺花火」とも呼ばれ、古くから僧侶による供養として花火があげられていたそうです。現在も、花火の打ち上げの前に神仏混交の慰霊祭が執り行われ、一揆騒動の犠牲者や戦没者などの供養をしています。名物は「大からくり」や「地雷火(じらいか)」など、浅川町独自の仕掛け花火。大会のフィナーレを飾る「大地雷火」は、山肌に設置した花火を破裂させる大迫力のもの。打ち上げ花火とは違った迫力を楽しめます。浅川町で最も大規模な「浅川の花火」には、約3万人もの見物客が訪れます。
開催時期/毎年8月16日
稲作を始めとする農業が盛んで、秋には黄金色に輝く田んぼの景色が美しい浅川町。実りの秋に感謝して打ち上げられる「刈上げ豊秋花火」では、音楽に合わせた色鮮やかな花火が秋の夜空を彩り、夏の花火とはひと味違った趣を感じられます。同日の昼間は、町内の新鮮な農作物や特色ある製品を販売する「さんぎょうまつり」も開催。浅川町のグルメや食にちなんだイベントを楽しめる賑やかなお祭りが行われます。
開催時期/毎年11月予定
大晦日から元旦にかけて行われる冬の恒例行事。除夜の鐘に合わせて108発の花火を打ち上げます。冬の澄んだ夜空に3号玉、4号玉、スターマインなどが打ち上げられ、新しい年を華やかに祝福します。また、城山公園の北西にある白山比咩(しらやまひめ)神社では、参道に200もの提灯が灯され、元朝参りの参拝客で賑わいます。境内では浅川町ならではの縁起物である「身に魔除花火」の販売、お年玉抽選会なども行われます。
開催時期/毎年12月31日~1月1日
浅川町を一望できる城山公園は、4月中旬〜下旬頃にかけてソメイヨシノの花が咲き誇る桜の名所。桜の開花期間中は、ぼんぼりの点灯やライトアップで夜桜を楽しめます。桜の見頃に合わせて行われる「夜桜花火」は、メイン会場である城山公園からライトアップされた桜と花火を同時に見られるという風流なイベント。城山公園の山頂ではフード屋台なども出店しお祭りムード一色に。
開催時期/毎年4月中旬
提供/a.ru.ku出版株式会社