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浅川町といえば、約300年前から続く伝統の花火大会があります。プログラム作りから会場の設営まで、全ての準備を町内の若者たちが中心になり行っています。花火の打ち上げに携わる青年会のお二人、知られざる裏方の仕事や花火大会の見どころを教えていただきました。
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浅川町といえば、約300年前から続く伝統の花火大会があります。プログラム作りから会場の設営まで、全ての準備を町内の若者たちが中心になり行っています。花火の打ち上げに携わる青年会のお二人、知られざる裏方の仕事や花火大会の見どころを教えていただきました。
「浅川の花火」は、毎年お盆の8月16日に行われます。主催するのは、浅川町の2つの青年会。荒町(あらまち)と本町(もとまち)、2つの地区に住む若者たちが、年に一度の大イベントの準備を行っています。「現在、20代から30代の10人以上が所属しています」と紹介してくれたのは、荒町青年会の会長を務める金澤拓真さん。「青年会自体にも伝統があって、昔は各家の長男しか入れないなどの厳しい条件があったそうです」。
「浅川の花火」の一番の見どころは、全長は15mもの仕掛け花火「大からくり」です。太い丸太を組み合わせ、青竹を結びつけた仕掛けに花火を設置したもので、重さはなんと約300kg。花火大会の当日、青年会を中心とした30~40人で仕掛けを担ぎ、町内を練り歩いてから打ち上げ会場に向かいます。「仕掛けを担ぐのは危険も伴い大変ですが、町内の方が見に来て応援してくださるのでなんとか頑張れます!」と、町民からの声援が糧になっているそうです。
供養花火も「浅川の花火」の特徴です。江戸時代の一揆騒動の犠牲者を供養するために始められたことから現在もその伝統が続いており、年忌法要のために遺族が花火を協賛することができます。「個人が花火を打ち上げることができるのは、全国的にもとても珍しいと思います。どんな供養花火にするか遺族の方と相談するのも青年会の仕事なのですが、託された花火が無事に打ち上がると、良かったなあとしみじみ感じます」と緑川直樹さん。
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全国的にも珍しい「大地雷火(だいじらいか)」という花火も、浅川町ならではのもの。町を見下ろす城山公園の山頂付近で、地面に設置した花火を破裂させます。「火花が扇状に広がり、山が噴火したように見えて迫力がありますよ。山火事が起こらないように、当日の午後から消防放水で水をまくなど、地元の消防団と協力して打ち上げます」。花火大会のクライマックスを飾るだけあり、見た目も音も大迫力。青年会や消防団の綿密な準備によって、無事に打ち上げられています。
青年会のメンバーが花火大会当日に着る法被も伝統のもの。背中に「あ」と書かれているのが荒町青年会、「本」とあるのが本町青年会です。かつては限られた人しか青年会に入れなかったため、若者の憧れだったそう。「この法被を着ていると、町内の人が声をかけてくれるので励みになります。子どもの頃から見ていた花火大会ですが、裏方をやってみて改めて大変さがわかりました。浅川の花火の伝統を、若い世代に繋いでいきたいです」。