太平洋を一望できる海岸、住宅街に突如現れる洞窟など、ワクワクする名所が多い高知県安芸市。そんな安芸市を「高知県を訪れるのは初めて」と、新しい出会いと発見の予感に胸を高鳴らせる、俳優の須賀健太さんと巡ります。何度も来たくなる安芸市へ、1泊2日の旅がはじまります。
写真/酒井貴弘(XICO) スタイリング/立山 功
ヘアメイク/佐藤由貴 文/田島えり子(クレア)
太平洋を一望できる海岸、住宅街に突如現れる洞窟など、ワクワクする名所が多い高知県安芸市。そんな安芸市を「高知県を訪れるのは初めて」と、新しい出会いと発見の予感に胸を高鳴らせる、俳優の須賀健太さんと巡ります。何度も来たくなる安芸市へ、1泊2日の旅がはじまります。
写真/酒井貴弘(XICO) スタイリング/立山 功
ヘアメイク/佐藤由貴 文/田島えり子(クレア)
初めに訪れたのは、太平洋を一望できる「安芸海岸」。遮るものがなく、どこまでも続く青い海に、一直線に伸びる水平線。海を眺めながら押し寄せては返す波の音を聞いているだけで、心が落ち着く場所です。朝は漁船が行き交うことも多く、地元の人々にとっては日々の暮らしに恵みを与えてくれる、親しみのある海なのだとか。「こんなに静かで美しい海が、日本にはあるんですね」と須賀さん。静寂と自然の雄大さが調和した場所に、エネルギーをもらいました。
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住所/安芸市日ノ出町10
昼食は地元で獲れたしらすを味わいます。安芸市は高知県内屈指のしらす漁場としても知られ、県内漁獲量の20~30%が水揚げされているそう。「安芸しらす食堂」は、しらすの加工・販売などを行う株式会社安芸水産が手がけており、「釜揚げちりめん丼」(750円)や生のしらすを使った「どろめ丼」(750円)など、その日の朝に獲れた新鮮なしらすを味わえるメニューが人気。1階の直販所では、しらすをはじめとする地元の特産品や、しらすをたっぷりのせた「じゃこソフト」(300円)など、ここでしか手に入らない商品を購入することができます。
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住所/安芸市西浜3411-46
電話/0887-34-8810
時間/11:00~16:00(LO15:30)
定休日/木曜日・年末年始
国道から一本入った住宅街に、天然の洞窟「伊尾木洞」が突如現れます。ここは約300万年前の地層が隆起し、波の浸食によって生まれました。約40mの薄暗い道を一歩一歩慎重に進みながら洞窟を抜けると、辺り一面が緑に覆われた美しい世界が広がります。左右に切り立った崖には、40種類以上のシダ植物が群生。これほど多くのシダ植物が一カ所に生息することは大変珍しく、すべてが天然記念物に指定されています。木々の間から降り注ぐ木漏れ日と、幻想的な空間を、須賀さんも胸いっぱいに深呼吸しながら味わいました。伊尾木洞にはガイド付きのプランもあり、約60分の「通常コース」と約90分の「冒険コース」2種類があります。
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住所/安芸市伊尾木117
電話/0887-34-8344(安芸観光情報センター)
安芸市唯一の岬「大山岬」の近くにあり、2024年2月にリニューアルオープンした「道の駅 大山」。木の温もりを感じるイートインスペースで、地元の食材をふんだんに使ったオリジナルメニューを味わうことができます。今回須賀さんがオーダーしたのは、柚子をたっぷり使ったふわふわの「エンジェルケーキ」の上に、ソフトクリームと柚子のソースがかかった「エンジェルマウンテン」。目の前に広がる太平洋を眺めながら、とろけるような味わいを幸せそうに頬張っていました。
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住所/安芸市下山1400
電話/0887-32-0506
時間/10:00~16:00(食事11:00~14:30)
定休日/水曜日※祝日の場合は翌営業日
安芸市出身のオーナーが「地域の観光を盛り上げたい」という思いで2020年に開いた、地元民も訪れる宿泊施設。築80年の古民家を改装した建物は、今では珍しい木製の窓枠や群青色の漆喰壁で、古きよき時代の風情がいっぱい。宿泊者は、四国を巡るお遍路さんや海外からの旅行者など、年齢や国籍もさまざまだそう。平日の夜にはcafebarがオープンし、宿泊者だけではなく、地元民も集まる交流の場となっています。
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住所/安芸市矢ノ丸1-9-28
電話/070-4141-1004(受付時間 10:00~18:00)
定休日/水曜日
2日目は歴史あるまち並みの散策からスタート。「土居廓中」は、戦国時代につくられた安芸城跡や江戸時代に整備・発展した武家屋敷のまち並みを今もしのぶことができるエリアです。江戸末期から昭和初期に建てられた伝統的な建物が残されていて、国の「重要伝統的建造物群保存地域」に選ばれています。土居廓中で最も古くからある野村家住宅は、幕末に建てられた建造物。一般公開もしているので、当時の武家の生活を想像しながら見学してみるとよいでしょう。「静かで落ち着く場所ですね」と、須賀さんものんびりと過ごしました。
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野村家住宅
住所/安芸市土居
電話/0887-34-8344(安芸観光情報センター)
時間/8:00頃~17:00頃
五藤家安芸屋敷
住所/安芸市土居955
電話/0887-34-3706(安芸市立歴史民俗資料館)
時間/9:00~17:00※事前申請が必要
定休日/月曜日※祝日の場合は翌営業日
明治時代の中頃、地域の地主だった畠中源馬氏によって制作された「野良時計」。アメリカから取り寄せた掛時計に興味をもった畠中氏が、その構造を独学で学んで作りました。当時、一般家庭には時計がありませんでしたが、この時計ができたことで、近くで野良仕事をしていた人たちも時刻を知ることができるようになったため、「野良時計」と呼ばれはじめたそう。交換部品という理由から現在は動かしていませんが、今も安芸市のシンボルとして親しまれています。
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住所/高知県安芸市土居638-4
電話/0887-34-8344(安芸観光情報センター)
時間/外観のみ見学自由
江戸時代から200年以上続く内原野焼(うちはらのやき)は、わら灰や木灰が原料の釉薬(ゆうやく)を使った、温かみのある素朴な風合いが特長。「内原野陶芸館」は、手びねりや絵付けによる陶器作りを気軽に体験できるスポットとして人気があります。須賀さんは「手びねり体験」(2,500円~)に挑戦。施設スタッフの指導のもと、土を丸めて形を作り、オリジナルの器を制作しました。作品は窯で焼き上げ、約6週間で自宅に届きます。
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住所/高知県安芸市川北乙1607-1
電話/0887-32-0308
営業時間/9:00~17:00
休館日/水曜日
土居廓中にある「廓中ふるさと館」は、地元の新鮮な食材を使った料理が評判の食事処です。須賀さんがオーダーしたのは、店で一番のおすすめだという「おもてなし御膳(1,650円)」。ちりめん丼の上に、じゃこや水菜、にんじんを使ったかきあげをのせた「かき揚げちりめん丼」に、ナスやミョウガの小鉢などが付いている、地元のおいしいものがギュッと集まった御膳です。「サクッとしたかき揚げに、香りのよい柚子酢をかけていただくと絶品!」と須賀さんも大満足。
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住所/高知県安芸市土居1017-1
電話/0887-34-0701
営業時間/9:00~16:30(食事11:00~LO14:30)
休業日/月曜日(祝日の場合は営業)、金曜日
「土佐くろしお鉄道ごめん・なはり線」安芸駅の構内に併設されている「安芸駅ぢばさん市場」。芋けんぴや、柚子を使ったスイーツといった安芸市で定番のお土産はもちろん、安芸市産の新鮮な野菜や魚が揃います。惣菜や焼き立てパンの販売もされていて、地元人気も高い店です。安芸市での旅の思い出にぜひ立ち寄ってみては。
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住所/高知県安芸市矢ノ丸4-2-30
電話/0887-35-7500
営業時間/7:00~19:00
休業日/無休
高知県東部の市町村を結ぶローカル鉄道「土佐くろしお鉄道ごめん・なはり線」では、オープンデッキ車「しんたろう号・やたろう号」が1日3本走っています。車両には高知県出身の漫画家・やなせたかし先生考案の、ちょっぴりユーモラスな各駅のキャラクターが描かれていて、誰もが笑顔になる愛らしさ。オープンデッキがついているので、潮風を浴びながら太平洋の雄大な海の景色や田園風景を満喫することができます。