四万十川という大河の始まりの一滴と、その水を育む美しい山々。日本の原風景を感じる里山の景色が、ここにはあります。せせらぎの音に耳を澄まし、森林とカルストの風景、そして美しい星空に心洗われる……。忙しい日常を忘れる1泊2日の休み時間を、ここ津野町で過ごしましょう。
写真/佐野円香 スタイリング/出口奈津子
へアイメイク/相場清志(eif) 文/田中絵真(ランズ)
※新型コロナウイルスの影響により、施設の営業状態が変更になっている場合もあります。最新の公式情報をご確認ください。
四万十川という大河の始まりの一滴と、その水を育む美しい山々。日本の原風景を感じる里山の景色が、ここにはあります。せせらぎの音に耳を澄まし、森林とカルストの風景、そして美しい星空に心洗われる……。忙しい日常を忘れる1泊2日の休み時間を、ここ津野町で過ごしましょう。
写真/佐野円香 スタイリング/出口奈津子
へアイメイク/相場清志(eif) 文/田中絵真(ランズ)
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カワウソたちと
旅の始まりのご挨拶
かつては全国の河川に住んでいたものの乱獲や河川の開発が進むとともに姿を消したニホンカワウソ。1970年代、最後にニホンカワウソが確認されたのが、津野町を流れる新荘川といわれています。その脇にあるかわうそ自然公園は、絵本を開いたような形になっており、園内には草や岩のすき間からひょっこり顔をのぞかせるカワウソの像が、なんと20体以上も。丸みのある体とクリっとしたまなざしがかわいいのでぜひ記念写真を。
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住所/津野町永野251-1
人とのふれあいも
旅の楽しみ
葉山の郷で体験できる田舎ずし作りは、地元のお母さんたちが集まった「久保川生活改善グループ」が教えてくれます。ネタは、お母さんたちが丁寧に下ごしらえしたミョウガやシイタケ、タケノコ、高知ならではのリュウキュウ(はすいも)など山のもの。すし飯はゆず酢で味付けされているので風味豊かでいくらでも食べられるうえ、色鮮かで体にもやさしいのがうれしいところ。手作りの味噌を使った滋味豊かな味噌汁もほっとする味で、田舎のおうちにお邪魔したような家庭の味が楽しめます。
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住所/津野町永野251-1
電話/090-1323-5940(久保川生活改善グループ)
時間/10:30~12:30(1週間前までに要予約。最小催行人数5人)
定休日/年末年始
料金/1人2,500円
※エプロンを要持参
暮らしを支える
日本の原風景
貝ノ川地区の急斜面を埋め尽くすようにあるのが、石垣で取り囲まれた棚田です。展望スポットから眺めると、等高線を描くように波打っており、夏は鮮やかな緑、秋には金色の稲穂で埋め尽くされます。この棚田、この風景を守るため、オーナー制度もあるのだとか。10月には棚田キャンドル祭りが開催され、5000本のろうそくに照らされる幻想的な光景が生まれます。
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住所/津野町貝ノ川
20基の風車の下を
風を感じてドライブ
町の北側にある山々の尾根には20基の風車が立ち並んでいます。ドライブで訪れて、風車のそばまで近づけるのが、風の里公園。標高約1,000mにあるこの公園はいくつかのゾーンに分かれていて、眺望の開けた「風の丘」からは、室戸岬から太平洋を見晴らす大パノラマを眺められます。「カルストゾーン」では石灰岩の間を散歩し、大迫力の「風車体感ゾーン」では、プロペラが音を立てて回る様子を間近で体感。山々の景色、風を受けて回る風車と、四国の自然の迫力に圧倒されるはず。
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住所/津野町白石甲
四国を240度一望
石灰岩などの岩石が、雨などで浸食されて現れたのがカルスト地形。ここ四国カルストは日本三大カルストのひとつで、白い岩肌の石灰岩と緑の草原、放牧された牛などが眺められる絶景スポットです。その成り立ちや、周辺の高山植物、生き物たちについて学べる場所がカルストテラス。大きなジオラマで起伏のある地形を確認したあとは、アナグマの生態などをARで観察できます。カルストについて学んだあとは、e-bike(スポーツ型の電動アシスト自転車)を借りて、天狗高原へ動植物を探しにでかけてみては。
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住所/津野町芳生野乙4921-48
電話/0889-62-3371
時間/9:00~17:00
定休日/月曜日、火曜日
料金/入館無料、レンタサイクル1時間1,500円~(レンタサイクルの申込みは「星ふるヴィレッヂTENGU」)
宿泊は、
夜空に一番近い宿へ
1,400m級の山々が連なる四国カルスト天狗高原。星空の美しい場所としても知られるこの地に立つ宿は、2021年7月にリニューアルしました。各客室からは四万十川流域の山並みなどが望め、宿泊者限定の展望風呂も魅力。なかでもおすすめなのが、メゾネットタイプの星空客室。2階の天井の一部がガラス張りになっているので、部屋でくつろぎながら星空を眺めることができます。あいにくの天気で星が見えないときには、館内にある本格的なプラネタリウムへ。「絶景体感・津野紀行」など、ここならではのプログラムが楽しめます。
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住所/津野町芳生野乙4921-22
電話/0889-62-3188
料金/1泊2食付き11,220円~(1室2名利用、シーズンにより異なる) ※プラネタリウムの観覧料は一般(高校生以上)800円、小中学生400円、小学生未満・宿泊者は無料
星ふるヴィレッジTENGUに宿泊したならば、早朝は森林セラピーロードへ。豊かな木々に恵まれた森をのんびり散策することができます。全国のなかでもっとも標高が高いところにあるセラピーロードは、遊歩道が整備されているので安心。そして、天狗高原は年間を通して雲海が発生しやすい場所で、特に朝晩が冷え込む秋、雨上がりのときや風が弱い日に雲海が見られることが多いのだとか。気持ちのいい早朝散歩で、みずみずしい空気とともに森の息吹をたっぷり吸い込んで、旅のパワーをチャージしましょう。
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住所/津野町芳生野乙4921-22(星ふるヴィレッジTENGU)
電話/0889-62-3188
清らかなせせらぎに
耳を澄ます
四万十川でよく見られるのが、欄干のないシンプルな造りの沈下橋(ちんかばし)。これは水没したときに水の抵抗を受けにくくして橋が壊れないためのもの。その原型とも言われているのが、大人数人が乗ってもびくともしないような大木を、3本つないだだけの早瀬の一本橋です。この形は数十年前までは四万十川支流で多くみられていましたが、今では珍しいもの。松井さんも「怖いー」と言いながら渡っていましたが、まるで澄んだ水の上を歩いているようで、せせらぎに耳を澄ませる心豊かな時間を過ごせます。
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住所/津野町芳生野甲
日本最後の清流の
はじまり
全長約196km、下流では雄大な姿を見せる四万十川。最後の清流ともいわれる四万十川の源流点へのルートは、国道197号を走っていると「四万十川源流点」という標識が教えてくれます。「源流の碑」のある駐車場にたどり着いたら、そこからは登山道です。山道を登りながら原生林の間を30分ほどハイキング。苔むした岩肌を滑るように源流が流れ、木々の間から光が差し込む光景はなんとも幻想的。たどりついた源流点の細い流れが、大きな清流になり太平洋にそそいでいく……そんな自然のロマンに思いを馳せずにはいられません。ちなみに、四万十川源流点周辺にお手洗いはないので万全の準備で訪れましょう。
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住所/津野町船戸(不入山)
大地の恵みを
いただきます
風を切るって気持ちいい!
東南アジアでよく見かけるトゥクトゥクは乗用車のような乗り心地と、風を感じられるバイクのいいとこどりをしたもので、津野町では「ツノトゥク」の愛称で人気。月ごとにルートの変わる定期周遊コースは「道の駅布施ヶ坂」などで買い物や食事をすれば無料で乗車可能。さらに、「せいらんの里」ではトゥクトゥクのレンタルも可能。普通自動車免許があれば運転できるので、津野町の茶畑や四国カルストの景色を眺めるドライブに出かけてみては?
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電話/0889-55-2021(津野町役場 観光推進課)
詳しくはHP(https://tsunotuk.com/)で要確認
旅のお土産は
道の駅で決まり
四万十川源流点近くの国道沿いにある道の駅。今年リニューアルしたばかりの店内は、木を基調とし、明るく広々とした空間です。とれたての野菜や町内の名物が並ぶなか、ぜひお土産にしたいのがつの茶。山の斜面に茶畑が並ぶ津野町は、お茶の産地として知られていて、うまみと甘み、苦みのバランスが絶妙でお土産にぴったり。食堂では里芋担々麺(880円)やアマゴの塩焼きがついた四万十定食(840円)などもいただけます。
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住所/津野町船戸654-1
電話/0889-62-3225
時間/売店7:30~17:30(冬期は時間短縮)、食堂9:00~16:00
定休日/1月1日