―福岡県を訪れたのは2度目とうかがいました。どんなイメージをお持ちですか？

前回は、大分県での仕事の前に宿泊だけという短い滞在だったんです。それでも博多ラーメンだけはどうしても食べたくて、マネージャーさんと一緒に弾丸で食べに行きました（笑）　福岡はグルメがおいしいイメージがあって、私自身もつ鍋が好きなので、いつか本場で食べたいなと思っていました。

―糸田町で過ごした2日間はいかがでしたか？

人や風景が優しくて、初めておじゃましたのに初めてではないような、故郷に帰ってきた気持ちになれる町でした。建物は低くて、緑が多く、空や川、星空が近い。おかげで気持ちの切り替えができて、町を巡っている時間は素に近い状態で楽しめた気がします。

―糸田町の自然スポットを訪れていかがでしたか？

新烏尾公園は、“公園”と聞いていたのであまりの大きさにびっくりしましたが、最高に気持ちの良い場所でした。撮影の日は猛暑日に近い暑さでしたが林の中はひんやりとしていて、清々しかったです。歩いていると鳥のさえずりが聞こえるので、耳を澄ましていました。金山サクラ・アジサイ園では色とりどりのアジサイに囲まれたのですが、こんなに色があることを知らなくて。新しい学びになりましたね。しかも花言葉が「家族」だそうで、糸田町の温かさと重なっているなと感じました。

―糸田城址は堀田さんにとってご縁のある場所でしたね。

そうなんですよ！ 糸田城址で撮影していただいているとき、『鎌倉殿の13人』で姫の前（比奈）役を演じさせていただいています、と心の中で報告をしていました。実在する人物を演じるときは特に、関わりのある場所に行ってみたいなと思うのですが、なかなか叶っていなかったので、この機会に感謝をお伝えできてありがたかったです。

―今回味わった地方色豊かなグルメはお口に合いましたか？

ホルモン鉄板は、東京でよく食べていたもつ鍋とはちょっと違っていて新鮮でした。これが地元の方に親しまれてきた味なんだな～と楽しみながらいただくことができました。お酒やご飯がすすむ味でしたね。「オカツ」さんに運んでもらったおかつバーガーは、米味噌の甘味がポイントで、カツが入っていますが重たい感じはなく、おいしかったです。ところで、「オカツ」さんとの共演は、どんな映像になっているんだろう（笑）。

―無双窯元さんでは陶芸体験をしましたね！

陶芸は一度、京都で体験したことがあったのですが、やっぱり……難しかった～！ 「気持ちが落ちているとき、集中したいときに土を触ると良いよ」と師匠（長末修次さん）がおっしゃっていて、楽しく体験するだけでなく、心を整えるために陶芸が力を貸してくれることを知りました。リフレッシュすることは旅の醍醐味のひとつだと思うので、旅先での陶芸体験、おすすめです。旅の思い出がカタチで残るのも良いですよね。

―撮影中は、町の方々と会話が弾んでいるように見えました。普段から積極的に声をかけられるんですか？

俳優もものづくりの仕事だと考えると、自分の知らないことは聞いてみたいと思うんです。お話を聞くことで、役を演じるときの助けになることもありますし。ネットで探せる情報ではなく、その場で触れて、感じて、聞いた情報のほうが真実味がある。今回の旅は、興味が持てることがたくさんあったので積極的になっていました。

―堀田さんのプライベートな旅について教えてください。最近、旅行には行かれましたか？

大河ドラマの撮影が終わってお休みをいただいたので、地元の親友と2泊3日で沖縄に行きました。

―どんな旅でしたか？

友だちは関西国際空港からだったので現地で集合しました。レンタカーがあると便利だったんですが、お互い運転に自信がなくて公共機関を使うことにしたんです。だけど那覇に着いてから「電車がない!?」というハプニングが（笑） 。美ら海水族館に行こうとバスで1時間半くらいかけて北部に向かったら、そこから30分くらいでパワースポットの古宇利島に行けることを知って「やっぱりそっち行こう！」と急遽予定を変更したら、帰りのバスが2時間も来ないことが判明して呆然としました……。旅行中は特に、そのときの気持ちを大事にしたい。だから行き当たりばったりでも、そのときの気持ちに素直に、ベストな選択をしたいと思っています。

―堀田さん流の旅の楽しみ方があるんですね。

私は、詰め込むよりリフレッシュする旅が好きなんです。だから今回の糸田町のように、ゆっくり、のんびり楽しむ旅が理想。お仕事中は意識してスイッチを入れているので、旅行中はフラットに、素の堀田真由に戻る時間かなと思います。その切り替えがあるから、人としての引き出しが広がって「よし、また頑張ろう！」って思える気がします。産地に訪れて食べてみたいもの、いつか泊まってみたいお宿やホテルもたくさんあるので、時間を見つけてまた旅に出たいです。