和歌山県広川町で、時代を超えて語り継がれる物語「稲むらの火」。主人公は江戸時代後期に起こった安政の大地震の際、町民を津波の危機から救った濱口梧陵(はまぐちごりょう)さんです。町には“梧陵さん”ゆかりのスポットがたくさん。かつて窯元があった男山を巡るなど、真木さんとともに広川町の歴史を紐解く旅に出かけました。
――まずは和歌山県広川町を語るうえでは欠かせない「稲むらの火の館」へ。こちらには「濱口梧陵記念館」と「津波防災教育センター」の2施設がありました。
「濱口梧陵記念館」で館長の方に聞いた濱口梧陵さんのお話はとても印象的でしたね。学者さんではないのに地震から津波が来ることを予測して、本来ならパニックになってもおかしくない状況で村人に避難するよう誘導して。それだけでもすごいのに、とっさに田んぼの稲むらに火を灯して、逃げ遅れそうな人の道標をつくるという機転が利くなんて、ものすごく賢い人だと感動しました。