飲み旅本。
人気動画クリエイター・東海オンエアのゆめまるさんが酒の魅力を追い求め、西へ東へ駆けまわる酒連載。外飲みの楽しみ方が変化してきている今、なにやら京都に安心安全な時間を提案する新しい飲みスタイルがあるんだとか……!? 前編ではまず、日本酒の仕込みを窓越しに眺めつつ飲める酒蔵に注目。京都も酒もたっぷり堪能するのんべえ旅に出発です。
編集/石川葵 撮影/古根可南子 文/藤村実里(ホワイトノート)
日本でも随一の日本酒生産量を誇る、京都。そのなかでも、江戸時代から殿様への献上物として酒造りの文化が根付いた日本三大酒どころ「伏見」を訪れます。かつて城下町として栄えた伏見エリアは、水上交通の重要な中継地としても発展し、多くの人で賑わいました。もともと良質な水に恵まれていたため酒造りが本格化し、多くの酒蔵が誕生。今でも古くから残る酒蔵や歴史ある酒の町として知られています。
そんな伏見の街の一角に、ちょっと変わった飲み体験ができるスポット「藤岡酒造」があると聞きつけ、やってきました。伏見では比較的小規模な酒蔵で、1995年に一度蔵を閉じますが、2002年に5代目・藤岡正章さんによって新たに酒造りをスタートし、復活を遂げた酒蔵です。復活と同時にオープンした「酒蔵Bar えん」では、藤岡酒造の仕込み蔵を窓ガラス越しに眺められる座敷席があり、職人たちが作業する様子を見ながら利き酒を楽しむことができます。
ゆめまる)この、窓ガラスの奥がもう酒蔵ってことですよね。酒蔵の“中”に入って見学するのはよく聞くけど、“窓越し”に見学するのは初めて聞いたし、僕自身、初体験です。
若女将・藤岡さん)ちょうどガラス越しに見えるのは、仕込み蔵です。酒造りに欠かせない水を貯めるタンクがあって、奥ではお米を洗ったりする作業をしています。毎日行う作業が違うので、その時々で見られる様子も少しずつ違うんですよ。
ゆめまる)へぇ〜。まさにイマドキっぽいソーシャルディスタンス蔵見学ですね。目が合っちゃったらどうしよう……って、なんかドキドキしちゃいます(笑)
窓越しながら間近で酒蔵見学ができるとあって、ゆめまるさんも興味津々! そんな一風変わったスタイルを取り入れる藤岡酒造は、機械的に行う大量生産型の日本酒作りではなく、あくまでも手作り少量生産の純米酒にこだわっているんだとか。
「酒蔵Bar えん」では、そんな藤岡酒造こだわりの日本酒をたっぷりと味わうことができます。今回ゆめまるさんは、店内で人気の「飲み比べセット」(平日限定/1,100円)を味わうことにしました。
若女将・藤岡さん)藤岡酒造復活の時に立ち上げたブランドが「蒼空」といいます。「飲み比べセット」は、季節によってお出しするものが変わるのですが、新酒など味わいの違うものを楽しんでもらえるように、50ccのグラスで3種お出ししています。
ゆめまる)へ~。次来るときになにが飲めるかな、って楽しみにもなるし新酒が飲めるのも良いですね。では早速飲み比べを……どれから飲めばいいんですかね? おすすめありますか?
若女将・藤岡さん)一番左が「蔵づくり米キヌヒカリ」といって、うちのイチオシ銘柄です! 余韻がすっきりしていて飲みやすいのが特徴です。
ゆめまる)華やかな香りがしますね。甘みが強いけど舌に残らなくて、ほんとすっきり! 女性が好きなタイプの日本酒なんじゃないかな。
若女将・藤岡さん)キヌヒカリは京都大原の契約農家さんと協力して、米づくりからうちで携わらせてもらっています。大吟醸規格の50%精米歩合で、お米の香りが引き立つんです。日本酒初心者の方にもわかりやすいように、精米歩合の見本をカウンターに並べているので、良ければ見てみてください。
ゆめまる)米づくりから携わっているんですか!? こだわってるな~。50%精米歩合というと……このくらいか。
ゆめまる)このわずかな違いで味がまるで変わってくるってことですよね。日本酒ってすごい繊細だな~。ではお次は、一番右の「純米大吟醸 山田錦」をいただきます。おぉ、これは一番馴染みのある味。僕のイメージする日本酒って感じです(笑) キリッとしているけどしっかりとした味わいで、オトナな感じ。真ん中の「特別純米原酒 短稈渡船」は……こいつ、パンチ効いてる! 味がどっしりと濃いけど飲みやすくて、ヤンチャな若いやつはこれ絶対好き。ごめん、僕の勝手な意見だけど(笑)
若女将・藤岡さん)“飲みやすい”というのも、実はうちの酒造りの工程のひとつ「搾り」に特徴があるからなんです。一般的には「ヤブタ式」と呼ばれる自動圧搾ろ過機で搾るのに対して、藤岡酒造では「槽搾り(ふねしぼり)」を採用しています。3日ほどかけてじっくり搾るので、優しい旨味、雑味の少ないすっきりとした味わいが醸せるんですよ。
ゆめまる)そんなところにもこだわりが……。そりゃーもう、おいしくないわけないっすわ。僕は味が濃いのが好きなので、「特別純米原酒 短稈渡船」がお気に入りかも。ごちそうさまでした!
窓越しに酒造りの様子を眺めながらその蔵の日本酒を味わう、そんな新しい飲みスタイルにすっかりハマった様子のゆめまるさん。若女将に日本酒について学びながら、「あの方はいま何の作業をされているんですか?」と好奇心が止まりません。藤岡酒造では例年、10~4月までが仕込みの最盛期。この時期は蔵人が忙しく働いているので、そんな酒造りの様子をガラス越しに眺められるのはかなり貴重な体験! 6月以降は予約制で、蔵内部の見学も可能なのだとか。
京都随一の酒どころ・伏見で、1902年に創業した酒蔵。併設するBarでは、代表ブランド「蒼空」のほか、自家製の酒粕レーズンバターやアイス、甘酒など日本酒のお共にぴったりなおつまみも提供しています。店内の随所には、古材や扉、柱、搾り袋など、かつての蔵で使用されていた素材を活用したカウンターや座布団が。古いものと新しいものが融合する和モダンな趣で、女性客ひとりでもふらりと訪れやすい雰囲気です。
施設名/酒蔵Bar えん
住所/京都市伏見区今町672-1
電話番号/075-611-4666
営業時間/11:30~18:00
定休日/水曜日
次回、後編ではユニークな出前サービスがある京都の昼飲みスポットを訪れます。伏見18蔵の銘酒を前に、ゆめまるさんのテンションも爆上がり! 個性的な食レポも飛び出します(笑) お楽しみに。
“男前女子”にぴったりのお酒とおつまみを楽しむ旅にフォーカスした、酔っ払い歓迎マガジン。
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