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こんなときこそ、現代アートで脳内リフレッシュ。名和晃平個展「Oracle」へ

東京都
    TABIIRO Ambassador
    大石絵理
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    大石絵理

    明けましておめでとうございます。大石絵理です。
    皆さま素敵なお正月を過ごせましたか? 私は祖母の家で家族団欒で楽しく過ごせました。2021年が皆さまにとって素晴らしく、幸せな年になりますように。

    さて、新年一発目にご紹介するのは、私も注目している日本人彫刻家、名和晃平さんの個展「Oracle」です。またお出かけしづらい状況になってしまったので、都内の方はサクッと行きやすい表参道で開催中の展示をご紹介します。今月末までの開催なので、感染対策に気をつけながらも、気分転換にぜひチェックしてみてくださいね!

    彫刻家・名和晃平さんとは

    2020年で10周年を迎えた京都・伏見のスタジオ「Sandwich」を拠点に活動する名和さんは、京都芸術大学の教授もされている、次世代を担う現代美術家の一人です。

    感覚に接続するインターフェイスとして、彫刻の“表皮”に着目。細胞という概念を機軸として、2002年に情報化時代を象徴する『PixCell』を発表し話題となりました。

    生命と宇宙、感性とテクノロジーの関係をテーマに、重力で描くペインティング『Direction』 や、シリコーンオイルが空間に降り注ぐ『Force』、液面に現れる池とグリッドの『Biomatrix』 、そして泡そのものが巨大なボリュームに成長する『Foam』など、彫刻の定義を柔軟に解釈し、鑑賞者に新しい知覚体験を生み出してきました。

    近年では、広島県にある神勝寺の境内に建つアートパビリオン『洸庭』など、建築のプロジェクトも手がけています。昨年からのコロナウイルスの影響で日本に滞在することが多くなり、さまざまな実験的取り組み、芸術の展開を試みているそうです。

    最新作目白押しの個展「Oracle」

    昨年10月から東京・表参道のGYRE GALLERYで開催されている個展「Oracle」では、複数のメディウムや塗料、オイルなどを混合し、複雑な物質性とテクスチャを生み出す『Dune』やUVレーザーと特殊顔料を用いた『Blue Seed』など完成したばかりの新作を目にすることができますよ。

    まずは、代表作である『PixCell』から。

    PixCell-Reedbuck (Aurora)
    PixCell-Reedbuck (Aurora)
    PixCell-Crow
    PixCell-Crow

    PixCellとは、「Pixel(画質)」と「Cell(細胞)」を合わせた造語。鹿などの対象となるオブジェクトをガラスビーズで覆い、その存在を「光の殻」に置き換える彫刻作品です。パソコンの画面でオブジェクトを見るときのような「映像の細胞」という新たなビジョンを提示していて、グローバリズムと高度情報化の現代を表した作品でもあります。デジタルカメラで写したものがパソコン上に取り込まれて情報化されていく感覚を反映しながら、物のリアリティを問いかける視触覚的な体験を生み出しています。

    Dune
    Dune

    こちらは、名和さんがコンピュータ上でプログラマーと協働した制作体験から、次は実際に絵の具を使って変容する風景をドローイングとして表現できないかという試行錯誤から始まったシリーズ『Dune』。

    『Direction』という作品で重力に従ってキャンバスを垂直に流れ落ちた後の、いわゆる廃液となった絵の具を回収し、再利用されているそう。粘度や粒度の違う絵の具を使うことで複雑な表情が生まれ、まるで気象現象とランドスケープを表しているようです。

    Black Field
    Black Field

    こちらは“場”を主題とする作品で、油絵の具と油の混合特性により、数ヶ月間かけて状態変化していくのが特徴です。空気に触れた部分から徐々に酸化し、硬化が進行していくので個展期間中もテクスチャの変化を楽しめる作品となっています。

    Blue Seed
    Blue Seed

    こちらもまた変化が楽しめる作品で、特殊顔料が塗られた半透明の板の表面にUV レーザーが照射され、植物の種子をテーマとした3Dモデルの断面のシルエットが描かれいく。

    命が芽生えているように、消えたり現れたり、大きくなったり小さくなったり。紫外線によって一時的に変色し、青く染み込んだインクのように見える線描は数十秒かけてゆっくりと変化していくので、思わず立ち止まってその変化を見送りたくなる、動く絵画です。

    Moment
    Moment

    『Moment』というこちらのシリーズは、粘度調整した絵の具が入ったタンクに一定の圧力をかけて、ノズルから出る絵の具によって描かれているそうです。タンク内の圧力を微妙に調整しながら小さなリズムを刻み、時空間的な奥行きを生み出しています。

    Rhythm
    Rhythm

    大小の球体(セル)を組み合わせ、その配置や構成によって空間に律動をもたらすこの作品。球体のすべての表面にライトグレーのパイルを植毛し、ベルベット状に仕上げてあるのがまた綿密で見入ってしまう。

    Catalyst
    Catalyst

    点から始まり、空間を這いながら網状に増殖し続ける造形であり、彫刻とドローイングの間のような存在のこちら。グルーガンを使って付着された透明の線の集積は、発達するニュートラルネットワークや、光を求めて成長する植物の蔦や粘菌を連想させる。無機体と有機体のはざまで、欲望や本能、そして生命の本質とは何かを問いかけています。

    Trans-Sacred Deer(g/p_cloud_agyo)
    Trans-Sacred Deer(g/p_cloud_agyo)

    最後は、今回の個展のメインともいえるこちらの作品。鎌倉時代の「春日神鹿舎利厨子」へのオマージュとして、木彫漆箔仕上げの「Trans-Sacred Deer(g/p_cloud_agyo)」(通称:雲鹿)が発表されました。

    神鹿が雲に乗って春日の地に飛来する形は奈良の美術史の中でも象徴的ですが、これは春日大社本殿第一殿の祭神でもある武甕槌命(たけみかづちのみこと)が鹿に乗って鹿島から春日に影向したさまを表現しているそうです。ほかの作品とはまた違った絢爛さ、日本らしさが表されていて圧巻でした。

    おわりに

    今回はいつもと違った雰囲気の個展の紹介でしたが、いかがでしたか? クリエイティブで興味深い展示でした。表参道GYREで1月31日までやっているので、ぜひ感染予防をしながら立ち寄ってみてくださいね! 今月も見ていただいて、ありがとうございました♪


    ■名和晃平個展「Oracle」
    会場:GYRE GALLERY 3F(東京都渋谷区神宮前5-10-1)
    期間:~2021年1月31日(不定休、GYREに準じる)
    開館時間:11:00~20:00
    観覧料:無料
    ※そのほか詳細、開館情報は公式ホームページをご確認ください
    HP URL:https://gyre-omotesando.com/artandgallery/kohei-nawa-monologue/
    名和晃平インタビュー動画も公開中!
    Youtube:https://www.youtube.com/watch?v=UJ7KSOwCAGw

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