KAMO Kitchen
千葉県 鴨川・勝浦・いすみ・御宿・長生
鴨川のカリフォルニアスタイルの海辺カフェ
タベサキ
黒潮と親潮に洗われる広大な房総半島は魚介の宝庫。そして気候温暖な大地は野菜、果物、畜産品も豊かに育みます。そんな旨味を余すことなくたっぷり堪能しに出かけませんか?
Text:渡辺哲也(アントレース)
東と南を太平洋、西を東京湾と三方を海に囲まれ、九十九里浜をはじめ長大な海岸線が続く房総半島は、千葉県の南東部一帯を締める広大なエリアです。半島の沖合には暖流の黒潮、寒流の親潮と二つ潮流が流れるエリアがあるため、魚介の種類の多彩さでは日本でも指折りの漁場となっています。
鯵、鰯、鯖、鰤、鯛、金目鯛、そして栄螺に鮑など、季節の移り変わりとともに、次々と日本を代表する魚介の数々が漁港で水揚げされ、まさに海の幸の宝庫といえるでしょう。中でも伊勢海老の漁獲高は千葉県が日本一を誇ります。そんな身近で揚がったばかりの新鮮な魚介を存分に楽しめるのが、房総半島の食の大きな魅力のひとつです。
一方、半島の内陸に目を転じれば、山あり川ありの自然豊かな房総丘陵が広がります。温暖な気候に恵まれていることもあり、多くの種類の野菜や果物が栽培され、野菜狩りや果物狩りでも人気を集めています。また、関東一の早場米の産地でもあり8月中旬には刈り入れが始まるほど。季節に先駆け、走りの味を楽しめるのも房総ならでは。
また、房総エリアは日本の酪農の発祥の地でもあり、穏やかな気候もあいまって、生乳や豚肉、卵などの生産量は全国でも有数。最近ではチーズや旬の果物をミックスしたジェラートなどの生産も盛んです。豊かな海と大地が育む自然の恵みを味わいに出かけましょう。
寄せては返す太平洋の大海原や景勝に恵まれた渓谷。房総ならではの絶景と、豊かな海と大地の恵みを楽しむ旅へと出発しましょう。
一年を通して、種類豊富な魚介が味わえる房総。半島各地に漁港が点在し、漁師町ならではの料理の数々も味わえます。地魚を材料にしたなめろう、蛤などの浜焼き、鮮度が決め手の鰯料理、彩り豊かな海鮮丼など数え上げればきりがないほど。
また、南房総市の和田漁港は、日本に4箇所しかない捕鯨基地のひとつ。今や貴重になった鯨料理もこちらへ出向けば珍しい部位も堪能できます。そのほかにも米どころならではの太巻き寿司、千葉県固有の地鶏である房総地鶏の料理の数々も見逃せません。
ドライブの際にぜひ立ち寄りたい道の駅も房総は個性豊か。「道の駅 富楽里とみやま」の漁協直営レストランでは、食べごたえのあるつみれ汁セットをぜひ。「道の駅 とみうら枇杷倶楽部」は、特産のビワを用いたメニューが豊富。
なかでもプレミアム枇杷ソフトは濃厚な味わいの逸品です。そのほかにもハワイがコンセプトでロコモコやガーリックシュリンプのいただける「道の駅 南房パラダイス」、酪農の盛んな田園エリアに位置し、新鮮な牛乳を使ったソフトが味わえる「道の駅 三芳村 鄙の里」など、少し遠回りになっても立ち寄りたい道の駅が目白押しです。
気候温暖な房総は、通年で様々な農作物の味覚狩りが楽しめます。秋口はブドウ、梨など、秋の深まりとともにミカンやレモン、甘夏、そして年末から春先にかけては、房総の豊かな陽光で暖かな温室ではイチゴ狩りも。初夏を迎えるとビワ、続いてブルーベリーと次々と収穫期を迎えます。
また、温室栽培で通年楽しめるマスクメロン、日本で沖縄以外では珍しいドラゴンフルーツ(7月~11月)など房総ならではのフルーツ狩りも。野菜の収穫体験も多彩で、春先の食用菜の花からそら豆、初夏のトウモロコシ、初秋のお米、冬期のレタスなどが体験できます。
房総を巡るならドライブで壮大な景観も堪能するのがベスト。関東平野最東端に位置する犬吠埼は、はるか望む水平線は地球の丸い形を実感させてくれます。海岸沿いを南下すれば全長約66kmにもなる九十九里浜へ。そのほぼ中央にあるのが豊海海岸に立つ九十九里ビーチタワー。長大な海岸線と太平洋の描く景観はまさに大スケールです。
さらに南下を続けると房総の南端には野島崎灯台、東京湾沿いへ回り込めば大房岬と、いずれも独特の景観が楽しめます。そして半島内陸を代表するのが養老渓谷。滝の連なる渓谷美で爽快感を満喫しましょう。
食べることが大好きなタベサキ読者のために、海の幸をはじめ多彩な食材が揃う房総ならではの絶品食材をご紹介。
千葉県は伊勢海老の水揚げ高で過去に1位になったこともある名産地。中でも外房は日本最北の伊勢海老の漁場で、荒波に揉まれることで身が締り、味わいも濃厚。色や艶、大きさなども一級品です。旬の9月を迎えると、宿や食事処で様々な調理法で味わえます。
揺れる漁船の上で、とれたての魚を味わうために生み出されたという漁師料理。サンマやイワシなどの地魚を、味噌とネギ、ショウガなどの薬味といっしょに包丁で丹念に叩きます。くさみがなくうま味たっぷりで、まさに「皿をなめるほどうまい」料理です。
古くから冠婚葬祭や年中行事のごちそうとして欠かせなかった郷土料理。良質なお米がとれ、新鮮な魚介が手に入るこの土地ならではの料理です。断面にいろんな絵柄が表れるように創意工夫するのが特徴で、家ごとの絵柄があり、今ではコンテストも開催されるほど。
千葉県で作り出され、生産されている、まさに固有の地鶏です。温暖な房総の地で、ストレスなく育った地鶏は、適度な締まりがあり、うま味成分のイノシン酸をたっぷり含んでいます。通常はパサつきがちな胸肉も適度な脂肪を含みジューシーと評判です。
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