新潟のお米の原風景に出合いました
[タベサキ Vol.2]
馬場典子さんが

新潟のお米の原風景に出合いました

新潟県 2018.10.30

タベサキ

11月、新潟のお米が収穫を迎え、新米の季節が始まります。もっちりとした食感の新米。その芳醇な香りに誘われ、新潟のお米の原風景を訪ねる旅へ馬場典子さんが出かけます。

photo: Jin Omura Styling: Yoshiko Oyama、Hair & Make: Tatsuro Hayashi、Text: Tomomi Hirano (OFFICE-SANGA)

新米を求めて
「棚田」が広がる新潟へ

周囲の山を背景に、その斜面に棚田が広がる日本の原風景。訪れた人の心を和ませる、この美しい光景のなかで作られた米を求めて、今回は松代市にある「蒲生の棚田」と新米がいただける「こめ太郎」、お米のことが学べる「お米の楽校」を訪れました。
「田んぼを見るといつもじーんとします。だってそこには、人が思いを込めて作った美しさがあるから。なかでも棚田は、周りにたくさんの緑があって自然の原理が生きていると思います。見渡す限りの空が広がっていて、空気が潤っていて、これまで海外の棚田は見たことがありましたけど、国内の棚田は初体験。地域も環境も違うけど、世界がつながっているというか、ひとつなんだっていう嬉しさもあったり。こうした環境で作られたお米だけに美味しさも格別」と語るのは、ブログでたびたびおすすめの飲食店や料理を紹介し、“食いしん坊”としても知られる馬場典子さん。その原点ともいえるのがお米。「炭水化物大好き! ごはん大好きです。私の母は玄米を取り寄せて自ら精米して、おいしいごはんで育ててくれました。そのおかげか私は体が丈夫なんです(笑)。今でもごはんが大好きで、高いレストランのごちそうじゃなくても、例えばお弁当とか定食でも、ごはんがおいしいとすごく元気になっちゃうんです」。

良米を育む新潟の風土と、
先人の知恵

良米を育む新潟の風土と、先人の知恵 田植えが始まる6月には田んぼに水が張り、水鏡が美しい「星峠の棚田」

新潟県は日本有数の米の産地として知られていますが、なかでも魚沼地域は産地がブランドになるほど日本屈指の名産地。良米を育む理由のひとつが、日夜の寒暖差が大きいことです。新潟県特有のこの気候こそ、デンプンをよく含んだ大粒の米が収穫できる要因なのです。また、雪深さに加えて周囲を山が囲んでいることにより、清涼な雪解け水も豊富。八海山の麓に湧き出た水はミネラル分も多く、美味しい米の育成に一役買っているのです。
そして今でこそ、広大な田園風景の広がる新潟ですが、雪深さでも知られる土地だけに、平地に広がる田んぼを開墾するのは一苦労。そこで生まれたのが、連なる山々の道沿いに広がる「棚田」です。日光の恩恵が存分に受けられるよう、斜面を段々に開墾して作られた棚田は土砂崩れを防ぐだけでなく、「あぜ」が水を貯めることで洪水を防ぐダムの役割もしているのだとか。棚田は、長きにわたる農業の歴史のなかで生まれた知恵と工夫なのです。

大粒ごはんを炊きあげる
釜戸にも「おいしい」の理由あり

大粒ごはんを炊きあげる釜戸にも「おいしい」の理由あり 粒が大きいだけじゃなくて、ひとつひとつくっきりしてる!」と馬場さん

「この湯気いいですね! お米もツヤツヤ」と言いながらお釜のごはんを覗いた馬場さん。美しい棚田を見た後はおいしいごはんが食べたくなり、南魚沼市の「こめ太郎」へ。ここは築300年以上の古民家で、昔ながらの釜炊きごはんを食べさせてくれる食事処。街道沿いに広がる田んぼのなかに建つ店は、米どころ南魚沼ならではの雰囲気が味わえます。 近隣県からもおいしい釜炊きの米を食べたくて訪れる人が多いという「こめ太郎」ですが、おいしく炊き上げるためのポイントは豪快にくべられた薪。この強火が釜のなかで米を対流させるのです。強火だけに気を付けないと、焦げてしまうことがあるのだとか。オーナーの齋木功さんが体得した沸騰時間はわずか4分。ここで火を引くことで、あとは自然と釜の温度が下がり、蒸らし炊きとなります。できあがった釜の蓋を取ると、もうもうと立ち込める湯気のなかから、純白に輝く白米が姿を現します。
「薪は火力が強いため、昔ながらのふっくらしたおいしいごはんに仕上がります」と話される齋木さん。簡単そうに見えますが、実はこれが匠の技。電子ジャーとは一味も二味も違う美味しさに仕上がるのは、熟練の技にほかなりません。
「米は契約している塩沢地区の農家のものを使用しています。コシヒカリは獲れる田ごとにできる米が微妙に違うのですが、こめ太郎で使う米はミネラル分を多く含んだ土地で育てたもの。でんぷん質が多いだけでなく、粒が大きいんですよ」。
この日は塩沢米のなかでも、有機肥料のみで育てた、年間70俵ほどしかとれない貴重な米を使用。使う水は八海山の麓近くの湧き水を汲んできたものだそうです。
「実は私も南魚沼のお水を飲んだり料理に使ったりしているのですが、とてもやわらかくて甘くて、本当においしいですよね」と馬場さん。
よそわれたピカピカの美しいごはんを前に、馬場さんも思わず至福の笑顔を浮かべていまいました。

地元の味に引き立てられる
白米の香りと旨味

地元の味に引き立てられる白米の香りと旨味 「ふっくらとしているし香りもいい!」と馬場さん。

「こめ太郎」はおかずにも地の食材をふんだんに使い、時期によってはオーナーの実家で作られた野菜や梅干しなどを食することもできます。囲炉裏端に座った馬場さんは、そんな食材を使った膳「お発ち飯」をいただきます。「おかずもひとつひとつが、とても丁寧な味。この梅干しも、しょっぱい昔ながらの味で、ごはんを最高に引き立てますね」。炭焼きしたアユも「ふっくらしていて、くさみもまったくないです」と絶賛。そして主役のごはんといえば「粒が大きくてもっちりのさらに上のむっちり! まさに噛めば噛むほど味わいが増します。それでいて決して甘すぎず、おかずとの相性が抜群です」と味の違いに驚いていました。

お米の歴史に触れ
新潟の伝統を知る

お米の歴史に触れ新潟の伝統を知る 「さまざまな工程を経て選別されたものが消費者に届くようになっているんですよ」と宮田さん。 新潟の伝統的な釜「ぬか釜」の説明を聞いた馬場さんは「炊いたあとは肥料にするなんて合理的なんですね」と思わず感激。

次に馬場さんが向かったのは、江戸時代の宿場町を再現した牧之通りにある、「お米の楽校~お米の体験ミュージアム~」。入場無料の館内では、米の選別機やパネルなどを見ながらお米のことが学べると聞き、訪れた馬場さんの興味を惹いたのは「ぬか釜」。新潟の伝統的な釜を再現したもので、薪ではなく、米のもみ殻と杉の葉を使って炊くのが特徴。「もみ殻が自然に温度調整してくれるので薪よりも使いやすいんです。しかも燃えカスは田んぼの肥料になるんですよ」とお米の楽校を運営するNPO南魚沼もてなしの郷の理事長・宮田敏之さんから聞き、「まさにエコロジー。昔の人の暮らしの知恵はすごいですね」と馬場さん。「帰ったら、家でも食べたい」と、お土産にお米を購入していました。

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