[タベサキ Vol.6]ご当地スーパーの味 イツモノ
「生フルーツサンド」各種(愛知・ダイワスーパー)
愛知県
2019.06.26
タベサキ
そのエリアの食を支えるご当地スーパーで、地元の“いつも”の味をピックアップ!
写真・文:菅原佳己
「生フルーツサンド」
フォトジェニックな断面
三代目として、昨年春に家業を継いだ大山皓生(こうき)さんは、25歳の若社長。そのフレッシュな社長が昨年ヒットさせたフレッシュな商品が“八百屋”の自家製「生フルーツサンド」だ。
自らを「八百屋」と名乗る大山社長。ご当地スーパーの可能性を、市場で仕入れる新鮮野菜やフルーツを活かす天才的センスで開拓。社長自ら撮影した写真をSNSで発信し続けている。フルーツサンドの美しい断面にこだわり、ファンを拡大。発売から1年経ても、相変わらず販売時間前には平日でも長蛇の列となること、しばしばだ。
これからの季節、とくにおすすめしたいのは桃、シャインマスカット、いちじくなど。いちじくは地味な存在ながらハートの切り口で「カワイイ」をプラス。いちじくをはじめ、じつはフルーツ生産の盛んな愛知県の旬の味も季節によっては味わえるのだ。全国にフルーツサンドの店が増えているが、ここまでご当地感あるフルーツサンドはあまり見たことがない。また、並ぶファンを飽きさせない、社長手描きの商品ポップも、名物の一つとなっているので要チェック!
ダイワスーパーのフルーツサンドの魅力はなんと言ってもフルーツのフレッシュさと大胆なカットにあるが、じつはパンと生クリームのセレクトとバランスが秀逸であることを忘れてはならない。
さらに「インスタ映え」と注目され、昨年夏に1日最高500杯を売った伝説をつくったのが「生フルーツかき氷」だ。しかし、元は刺身や手づくり惣菜が自慢の町の小さなスーパー。県内、県外から押し寄せる人に駐車場が不足し、近隣のお客さんに迷惑がかかるようになったため、今シーズンは「生フルーツかき氷」の提供は別店舗『奥殿陣屋の旧茶屋』にて8月31日までとしている。
【買えるのはこのお店】
「ダイワスーパー」
フルーツサンドの販売は、月曜定休と販売休止の火曜以外の5日間。各日600個(木曜は400個)の数量限定販売。水・金・日は10:00、木・土は14:00から。販売時間の1時間前より先着順で並ぶことができ、1人5個まで購入可能。
Profile
スーパーマーケット研究家
菅原 佳己(すがわら よしみ)
夫の転勤で国内外の転居を繰り返すうちに、スーパーの魅力に気づき、埋もれた日常食の発掘などの研究をスタート。ご当地スーパーやご当地グルメブームの火付け役として、テレビや雑誌、新聞などで活躍している。著書は『日本全国ご当地スーパー掘り出しの逸品』(講談社)など多数。新刊『東海 ご当地スーパー 珠玉の日常食』(ぴあMOOK中部)では、より狭くディープに探究。
ご当地スーパーの味シリーズの記事
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「カルメル会修道院 ゴブレット詰め合わせ」(京都・フレンドフーズ下鴨店)
「かつお藁焼きたたき」(高知・サンシャイン)
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