復活希望! 「猪」が付く摩訶不思議駅 木村裕子のおもしろ鉄道旅
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今年、2019年の干支は亥年です。亥年にちなんで、この漢字が付く駅名を調べてみると検索結果は残念ながら0駅でした……が! 「猪」だとなんと全国に5か所あるんです。そこで今回は、“年男”ならぬ“年駅”である、今年主役の全ての駅の特徴をご紹介します。
野口英世は色々と惜しい! 「猪苗代駅」
会津鉄道では、2011年までこの野口英世ラッピング列車が走っていました。
福島県のJR磐越西線にある「猪苗代駅(いなわしろえき)」。ここは、千円札でお馴染みの野口英世の故郷です。この駅からバスで10分ほどの場所には野口英世記念館があり、生まれ育った生家や医学書などが展示されています。ちなみに野口英世の干支は来年の子年なので、あと1年早く生まれていれば……亥年だったのに……! さらに野口英世のお母さんの名前は“シカ”さんなんだとか。ああ~! 色々と惜しい! ……なんて(笑)
廃線跡で遊べる「猪谷駅」
2駅目は、富山県のJR高山本線にある「猪谷駅(いのたにえき)」。このあたりは冬の積雪量が高く、私が行った時はホームには150cmまでのメモリが付いた積雪標柱が建っていました。2006年まではここを起点とした神岡鉄道の線路が延びていて、車内に囲炉裏が付いた列車が走っていたんですよ。現在は廃線跡を利用して、自転車を漕いで線路を走る“レールマウンテンバイク”に乗って遊べる場所となりました。紅葉や新緑に包まれトンネルの中も走るアクティビティ体験は、自分が列車になったような感覚に浸れます。現在は冬季休業中なので、再開予定の3月21日以降に向かってみて下さいね。
早口でいいたくなる(笑) 「猪田道駅」と「猪名寺駅」
続いて3駅目は、三重県の伊賀鉄道にある「猪田道駅(いだみちえき)」。この路線は有名な伊賀流忍者博物館の近くを通り、漫画家の松本零士さんがイラストのラッピングをデザインした“忍者列車”が走ります。沿線には猪田神社があり、本殿は重要文化財にも指定されているんですよ。亥年の初詣で参拝したら、なんだかよりご利益がありそうな気がしてしまいます。
そして4駅目は、兵庫県のJR福知山線にある「猪名寺駅(いなでらえき)」。ここにはかつて猪名寺があったことからこの駅名となりました。現在駅周辺は、学校やキューピーなどの大手工場や町工場があり、近くには山陽新幹線も走っていて通学通勤の利用客が多い駅となっています。
余談ですが、この2駅を合わせて「いだみちいなでら」と10回連続で言おうとしたら、私、2回目で即噛みました。みなさんスラスラ言えます?
最後に木村ポイント!
最後は木村ポイントである、5駅目の福島県JR磐越西線「猪苗代湖畔駅(いなわしろこはんえき)」です!
上記4駅は実際に下車しましたが、実はこの駅だけ車内から見たことしかないんです……。この駅、本来は志田浜湖水浴場アクセスのために夏だけ臨時営業する駅でした。でもその利用客も2003年には0人となり、ついに2007年から事実上の休止駅となってしまったからです。駅もホームもあるのに、すでに10年以上営業された日がない摩訶不思議駅。
JR東日本さん! ぜひこの亥年の今年に、復活を希望します。その時は私が降りに行くので利用客0人にはさせませんよ~(笑)