海の上でロマンチックな撮影が叶う“とってい”が好き! 【後編】

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2019.01.30

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海の上でロマンチックな撮影が叶う“とってい”が好き! 【後編】

目次

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水色許容量が飽和しそうな与論の皆田! 満潮の突堤から海との一体感を味わう

三色の海をワンシーンで味わえる、自然のアートがかっこいい奄美大島・円港の突堤

畑の緑とのコラボレーション! 自然のアートVer.2は沖永良部島・住吉港の突堤

カクカクで細くて、海はエメラルドグリーンで! 自分を配置するのが楽しい石垣島の伊原間漁港の突堤

朝日とガチンコで向き合う、ちょっとスリルのある石垣島・伊野田の長~い突堤

今帰仁漁港の突堤は異次元、離島に囲まれて旅情抜群!

前回は、海の上で空撮できる大好きな場所、突堤(とってい) の中でも、北よりの地域からご紹介いたしました。今回は南下して、鹿児島県の与論島、奄美大島、沖永良部島、そして沖縄県本島に石垣島のグっとくる突堤をご案内します。まずは水色にハッとする与論島の動画からどうぞ。

水色許容量が飽和しそうな与論の皆田! 満潮の突堤から海との一体感を味わう

こちらは文句なしに美しい与論島の皆田海岸の突堤です。ちなみに与論島からは沖縄本島が見えるほど近いけど、所属は鹿児島県になります。

思わず目をこすってしまう水色っぷりでしょう! 与論の色はとんでもなく美しくて。なかでもここ皆田は、海岸の前に並ぶ島で遮られほとんど波がなく静かだからか、水色が際立ってます。さらには、写真のように満潮になるとまたすごいんです。引いてるときは底が見えすぎて水色が薄れるのですが、満ちると水色が重なるからか、目の水色許容量が飽和してしまいそう! 幸せな悲鳴が出ちゃいますよ。

満潮時はまた、海面と突堤の高さがほとんどかわらないのもすばらしいポイントで。海との一体感がぐんとアップして、海の上に立ってる感にリアリティが大幅増量! これも静かな海だからこその恩恵で、波がかぶる心配があまりないからこの高さになったのかなぁと推測しています。

昼間の水色フィーバーも最高ですが、朝日の時間もいいんです。満潮と日の出が重なる時、ここに来て見てください。海の上すれすれに静かに佇み、太陽を迎える……なかなかロマンチックなひと時です。

三色の海をワンシーンで味わえる、自然のアートがかっこいい奄美大島・円港の突堤

さて、こちらはちょっと北上して、奄美大島の龍郷町(たつごうちょう)にある円港の突堤です。奄美のサンゴ礁もとても美しく、海の色も最強!! ただ、サンゴの規模は石垣島を中心とする八重山諸島ほどには大きくないので、波が海岸までザッパンザッパン打ち寄せたり、沿岸近くから深めだったりするところも割とあるんです。そうすると、円港のような青の三色弁当が出来上がります! 

突堤に囲まれた波のない静かなエメラルドグリーンの海、沿岸の浅めで水色がかった海、波はザッパン、水深は深めの真っ青な海。仕切る突堤はお弁当箱に仕込むバランか、幕の内弁当のしきりか。水が美しく、サンゴの規模がほどほどという条件の海だからこそ見られる自然のアートです。

畑の緑とのコラボレーション! 自然のアートVer.2は沖永良部島・住吉港の突堤

同じく鹿児島県・奄美群島の沖永良部島(おきのえらぶじま)にも、上記円港と同じような理由の自然のアートが見られます。知名町の住吉港の美しさったら! こちらの海は水色と青の二色ですが、畑が隅々まで広がる島ならでは、沿岸の畑の緑と合わせて三色です。

住吉港には、最初の写真のようにプールのような海を作り出すタイプの突堤の他に、まっすぐに突き出るタイプのものもあります。こちらもいいでしょう、ただただ、青が美しい!! ちなみに、突堤真ん中あたりにふたつ見える白いポッチは車です。なかなか大きく迫力のある突堤なんです。

カクカクで細くて、海はエメラルドグリーンで! 自分を配置するのが楽しい石垣島の伊原間漁港の突堤

石垣島の平久保半島の付け根にある伊原間(いばるま)漁港には、直角にカクッと折れた突堤があるんです。オーソドックスな形のひとつではありますが、お土地柄か、2辺とも細めなので空から見ると繊細に写るんです、しかも海はエメラルドグリーンで!

お土地柄というのは、石垣島は広大なサンゴ礁で荒波から守られているうえに、深い伊原間湾の中にある港だから、波があまりないということ。なので、例えば日本海の荒波対応の突堤と比べると頑丈さが違うのでしょう。もちろん両者ともそれぞれのよさがあって大好きです。

また、そんなお土地柄は飛ばす本人の心境にも影響があって、恐怖心が限りなくゼロに近い状態に。よりニュートラルに、より気楽に突堤を歩き、撮影ができるんです。しかも突堤の高さも低めだから、登るのすらヒョイッだし、あー楽し。

ね、細いでしょう。くるんとしたしっぽみたいでかわいらしさすら感じます。

ところでご覧下さい! 海がふたつ見えますね。伊原間漁港の魅力はここにもあります。手前は東シナ海で、奥が太平洋。両者をこんなふうに接近した状態で見渡せる壮大な風景、しかも絶好の日の出スポットでもありまして。何度でも来て堪能したい絶景ですが、そこには必ずこの突堤がチョンと入り込んでくるんです。愛着が湧くのもわかるでしょ。

ちなみに、この辺りは「船越(ふなくや)」とも呼ばれています。由来は台風などで海が荒れた時に、あっちの海からこっちの海へと船を陸地の上を通って運ぶからだそうです。ぐるっと島の海岸線を辿って海上を回るより効率がいいですね。陸地が狭い(伊原間の一番狭いところで約200m)からできる技で、全国的に同じ理由で「船越」と呼ばれているところはあるそうです。

朝日とガチンコで向き合う、ちょっとスリルのある石垣島・伊野田の長~い突堤

どうです、お見事でしょう。海の上で、昇ってきたばかりの太陽と向き合っちゃいました。

石垣島の東海岸真ん中辺りにある伊野田(いのうだ)漁港の突堤の上でのひと時です。ここは、細くて高くて長いから! 伊原間のような安心感はないけど、スリルがあるのもたまらないんですよね。

また、伊原間のように、狭いとはいえ陸地の西側から東の太陽を見上げるのと違い、ガチンコで昇りたての太陽とご対面することになるのもドキドキで。

伊野田と伊原間、同じ石垣島でわりと近くにある漁港ですが、それぞれのよさが存分に詰まっていて、どっちがより好きかなんて言えないんです。あーいいとこ三昧でよくばりな島だこと、石垣!

伊野田漁港を上空から見るとこんなです。複雑に海の道がこしらえられているでしょう。今日はどこに登ろうかな〜と迷えるのがまた楽しくて。

ちなみにこの情景は西を向いています。朝、東の空に昇った太陽の光が照り返して、西の空はとってもやさしい色に染め上げられました。

こちらは太陽の位置が高い時間です。海の真ん中に作るくっきり影絵を見下ろすのも、突堤でのドローン空撮のお楽しみのひとつです。

今帰仁漁港の突堤は異次元、離島に囲まれて旅情抜群!

沖縄本島の今帰仁(なきじん)漁港の突堤には、こんな石組み地帯があるんです。コンクリートのいわゆる突堤を、よいしょと気をつけながら降りたその先にあるからおまけっぽさが満載、なんだか空間の階層が違うみたい。

上から見ると、左下の斜めに折れてるところが石組み地帯です。

離島に囲まれているので、風景に趣がありすぎるのもこの突堤ならでは。しかも自分は海の真ん中の異空間にぽつんと一人、聞こえるのは波の音と風の声のみ。思う存分浸ることができる場所です。

今帰仁漁港の突堤の先に座って眺めているのは、橋がかかっている屋我地島(やかじしま)。

その反対に、古宇利島(こうりじま)。

これはドローンと鳥の特権だけど、今帰仁漁港の空から見ると、本島の向こう、西の海の奥に伊江島(いえじま)も見えています。ちなみに空の白い丸はお月様。まもなく本日の沖縄巡業終了、西の海に沈むところです。

島々に囲まれすぎて、地球儀の上に立っているみたい。海があって、陸地があって、そんな地球にポンと乗っけてもらった風。こんな思いがふわっと降りてくる場所って、ちょっと尊さすら感じちゃいます。何度でも行きたいなぁ。


ちなみに、まだまだ大好きでご紹介したい突堤があるんです! あんまり続けるとしつこいから、また折を見てお話しさせてくださいね(笑)。

Author

ドローン旅作家 とまこ

ドローン旅作家

とまこ

元秘境ツアー添乗員で現在は“おしゃれパッカー”、“美肌ダイエットマスター”として本の執筆や講演、TV出演など多方面で活躍する旅作家。「離婚して、インド」(幻冬舎文庫)など既刊12冊。2017年から旅先でのドローン撮影を始め、今では「飛ばさないと落ち着かない!」というほどのドローン好き。旅先での美景、絶景の撮影はもちろん動画の編集も手掛ける。

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