“心に風が吹き抜ける”感覚を求めて。ドローン撮影にハマった理由と絶大な意義【前編】
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“心に風が吹き抜ける”感覚を求めて。ドローン撮影にハマった理由と絶大な意義【前編】
そもそも、なんでドローン旅にハマったのかといいますと。これまで歩いて来た道を、気づきや好みと掛け合わせて辿ってみると、なるほど必然だったのです。今回は、今の旅スタイルに至った流れと、わたしがドローンに見出す意義を前編・後編に分けてお話したいと思います。
飛行機が好きすぎてやばい。窓にはりついて神さま界を覗き見!?
ずいぶん旅をしています。わたしにとって旅には大きく2種類のお楽しみがありますが、それは旅の本体にあたる陸地の時間と、移動の飛行機の時間です。それぞれの喜びが独立して絶大でして。
ところで、旅の本体については、理由のある人以外誰でも、好きで選んでいるはずですが、移動は苦手な方もいると聞きます。それなら、なんとかその時間を代行できないものか……真剣に考えました。つまり、わたしが飛行機に代理で乗り、目的地に着陸したところで体を変えられたら最高にwin-winなのにって(笑)。
飛行機の座席はいつも太陽がある方の窓際死守で、ずっと窓にはり付いています。それは初めて乗った時から。なぜって雲の上の世界が、勝手にイメージするギリシャ神話的世界すぎたから。「まさか神さま界にまで来れちゃうんだ……」とびっくりしました(笑)。そのとき知った“どこにでも行ける”体感が強烈で、飛行機の窓際中毒になったんです。
上の写真は石垣島から東京への帰り道。雲の下へ、自分の下へ、太陽が沈んで行きました。
こちらは夏のフィンランドの空、雲の下。夜の23時ごろですが、緯度の高いここではまだまだ夕焼けが続いていました。
オーストラリアでは、広漠っぷりに唖然としました。雲の影が大地にくっきり映っています。
トルコのイスタンブールの光は漆黒のマルマラ海と黒海に挟まれてとっても華やか、星みたい。宇宙を浮遊しているようで、遠くに来ちゃったなぁ感が際立ちました。
砂漠やジャングルや島や街や……自分たちがうごめく土地を超広角映像で見せられると他人事感がたっぷりで。“地球は本当にある”。当然だけど、いつもそこにいて意識することのないステージの途方もなさをこの目で確認して、ビシバシ感動するのです。
その上わたしは撮影そのものが大好き。撮影も飛行機の窓からの世界も好きなら……なるほど空飛ぶカメラ・ドローンに行き着くのは我ながら納得です。
とはいえ以前は、前者の撮影については興味がなかったんですよ。
写真を撮らない旅から、記録のために撮る旅へ
小5のとき、新幹線に乗っていたらカムチャツカ半島の森に到着する夢を見て以来、旅に憧れていました。なので、学生時代にバイトでお金を貯めると、迷うことなくバックパッカーの旅をはじめます。
当時の旅では、ほとんど写真を撮りませんでした。世界と触れ合うリアルに惚れ込んで、カメラを介するほんの少しの時間さえもったいないと思ったのです。
そんな習慣が変わったのが、大学を卒業して秘境ツアーコンダクターになったとき。実際に旅した行程を、毎日自分で書いてツアー客に配ることも業務のひとつになりました。内容はだんだん凝っていき、お客さまが気づかないぷぷっと笑えるシーンを披露しようとイラストを描きだすと、その素材メモとして写真がとても有効だったのです。それでせっせと撮るようになりました。
モンゴル・南ゴビの草原で、突然お祭りがはじまったんです。白タイツをはいた子どもたちが、真剣な眼差しでラクダダンスを踊ってくれましたよ、ほほえましい(笑)。こういう予期せぬ急な瞬間こそ、メモとしての写真が大活躍。
会社を辞めて南米へ。絵日記のための撮影は続く
秘境ツアーコンダクターとしての2年半がすぎると、目標としていた100万円が貯まったので退社して南米へ。気になること、笑えることを写真で記録して、それを見ながら日々絵日記を描き続けます。そうして半年が経ち帰国。それからは、絵日記を元に南米の旅を本にするべく書いて描いて売り込み続け、3年後に初めての本『気がつけば南米―いきなり結婚→南米へ!おきらくカップル180日間の旅』(アスペクト)を出版しました。ちなみに、南米へ一緒に行ったのは、当時長く同棲していた人……とは別の人(笑)。同棲先から家出してからあっという間のできごとでしたねぇ(遠い目)。ちなみに成田空港へ行く道すがら籍を入れていきました。
上の写真はそんな南米・アルゼンチンのパタゴニアを走るバスから撮影したもの。世界中が燃えました。
これはアルゼンチンのバリローチェという街からの眺望。アンデス山脈に囲まれて空気がおいしすぎるんです、星3つ!
次回はいよいよ“心に風が吹き抜けた”旅先での転機、そしてドローン旅にハマった理由をお届けします。