旧暦10月(今年は11月12日~12月10日)は、一般的には神無月(かんなづき)と呼ばれます。それは日本中の神様が出雲に出かけてしまっているという理由から。反対に、神々が集まる出雲では、11月は「神在月」と呼び、神迎祭(かみむかえさい)、神在祭(かみありさい)などの神事によって神々を迎えます。出雲に集まった神々はやがて会合を終え、元の場所へと帰っていきます。その際も神等去出祭(からさでさい)を行い、無事のご帰還を祈ります。これらのお祭りは、出雲大社、日御碕(ひのみさき)神社など各神社で行われます。年に一度、厳粛な神事が行われる出雲で、大勢の神様の気配を感じてみては?
 また、出雲には、神話ゆかりの場所が点在しています。縁結びの神として名高い大国主命(おおくにぬしのみこと)を祀る出雲大社、八岐大蛇退治で知られる須佐之男命(すさのこのみこと)を祀る須佐神社、国譲り神話の舞台といわれる稲佐の浜……。どこも神秘的な魅力にあふれ、たっぷりパワーをもらえそうです。神話の世界を紐解きつつ、出雲巡りを楽しみましょう。
 古代ロマンに触れたあとは、玉造温泉、湯の川温泉など、名湯で汗を流すのがおすすめです。出雲のグルメといえば出雲そばが有名ですが、最近は「ぜんざい」も人気。土地ならではの味を楽しめます。