月刊旅色

清流、高麗川(こまがわ)の蛇行によって形成された平地は、その形が巾着に似ていることから「巾着田」の名前で知られます。現在は、ほとんどが休耕田や雑木林になっていますが、菜の花やコスモスなどの花が咲く場所として親しまれており、特に9月には500万本もの曼珠沙華(まんじゅしゃげ)が咲き乱れ、たくさんの人が訪れます。ちなみに曼珠沙華とは釈迦が悟りをひらいたときに天から降ってきた赤い花をさすとか。ほかにも、彼岸頃に咲くので彼岸花、子どもが数珠のように繋げて遊んだことから数珠花、寺の境内や墓地に多く咲くので死人花などなど、曼珠沙華にはさまざまな呼び名があります。雑木林の中に現れる幻想的な花畑と清流のせせらぎ。静かな秋の訪れを感じに出かけませんか。

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清流に囲まれた雑木林に出現する妖しくも美しい真紅の絨毯 [巾着田/日高市・埼玉県]

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