モネの描く自然と光に癒されるリフレッシュアート旅

神奈川県

2021.10.18

LINEでシェア
はてなでシェア
pocketでシェア
モネの描く自然と光に癒されるリフレッシュアート旅

目次

閉じる

何度でも見たい、モネの作品

波や風の音色が聞こえてきそう。自然をモチーフにした作品たち

空の色合いが美しい、街並みをモチーフにした作品たち

おわりに

皆さんこんにちは。すっかり涼しくなり、秋日和な毎日ですね。秋は大好きなのですが、今年の夏は自粛続きで、なんだか短かったように感じて少し寂しいです。夏休みにどこにも行けなかったので、ドライブがてら箱根のポーラ美術館に、ずっと楽しみにしていたモネの展示を見に行きました。

何度でも見たい、モネの作品

印象派の代表的作家として知られているクロード・モネ。ポーラ美術館にはモネの作品が数多くコレクションされており、私も何度も見に行ったことがあります。実は以前、「月刊旅色」の撮影でも、ポーラ美術館のモネの作品とともに撮影した思い出があるんですよ。

▼月刊旅色での大石さんの旅の様子はこちら
月刊旅色2018年2月号

モネは19世紀後半にパリ郊外のジヴェルニーに移り住み、フランスの各地やロンドン、ヴェネチアと行った旅先で、美しい風景を描いたそうです。季節や時間によって異なる表情を見せる、移ろいゆく光を生涯追い続けたと言われています。

モネの作品を見ると、まるで揺れる木々や小鳥のさえずりが聞こえ、植物の香りが漂ってくるような癒しを感じます。ポーラ美術館では現在、そんな素敵なモネの作品をたったひとつの大きな光のもとで美しく鑑賞できる展示会が開催されています。展示作品をいくつか紹介するので、ぜひご覧になってください。

波や風の音色が聞こえてきそう。自然をモチーフにした作品たち

≪睡蓮の池≫(1899)©Gottingham

≪睡蓮の池≫(1899)©Gottingham

モネの作品の中で最も代表的であろう睡蓮の作品。モネは睡蓮をモチーフにした作品をいくつも制作しています。水面には周囲の木々が映り込み、キャンバス全体がまばゆいグリーンのグラデーションで満たされ、いつまでも見ていたくなる作品ですね。

この作品のモチーフとなったのは、モネの邸宅に植えられた睡蓮です。1890年にモネはジヴェルニーに終となる邸宅を購入し、その庭に造成した池には睡蓮が植えられ、日本風の太鼓橋が架けられました。日本風の橋が架けれられたのは、モネが日本の浮世絵が好きだったからだとか。ほかにもさまざまな植物を育て、お庭造りをしていたそうですよ。

≪エトルタの夕焼け≫(1885)

≪エトルタの夕焼け≫(1885)

ノルマンディーの英仏海峡に面した漁村エトルタ。多くの絵画のモチーフになっている、画家たちが愛した景勝地です。そんな絶景が、遠景で大きく描かれています。浜辺に配された人気のない舟と、夕日の残照に赤く染まる空は美しく、1日の終わりの時間の静かな波音が聞こえるようです。

≪グラジオラス≫(1881)※左の作品 ©Gottingham

≪グラジオラス≫(1881)※左の作品 ©Gottingham

縦に長いキャンバスに、壷に咲いた一輪のグラジオラスが描かれています。こちらは友人のお宅に飾るために製作したものだそうです。なんて羨ましいご友人(笑)。素早い筆致ながら、葉や花びらの質感がハイライトを用いて巧みに表現されています。

≪ジヴェルニーの積みわら≫(1884)

©Gottingham

モネの邸宅の近くにあった牧草地に、脱穀して積み上げられた麦わらの山を捉えた作品。風を受け青々と揺れるポプラ並木や、地面に輝く草が、さわやかな強い日差しを感じさせます。影の部分も明るい色合いで、光に満ちた作品が作り上げられています。

空の色合いが美しい、街並みをモチーフにした作品たち

≪サルーテ運河≫(1908)

≪サルーテ運河≫(1908)

秋から冬にかけて、モネが奥様とともにヴェネチアを訪れた際の作品。午後の明るい太陽が、運河の岸を鮮やかに照らしています。静養を目的にここを訪れていたモネですが、水の都の美しい光景に魅せられ、制作に没頭したと言われています。

≪国会議事堂、バラ色のシンフォニー≫(1900) ©Gottingham

≪国会議事堂、バラ色のシンフォニー≫(1900) ©Gottingham

1900年、ロンドンに滞在した際に、国会議事堂の対岸に部屋を借りてこの連作を製作しました。霧に包まれた国会議事堂がテムズ川に映り、おぼろげなシルエットとなって浮かび上がっています。モネは、ロンドンの街を包む霧がもたらす複雑な光の効果に魅了されたそう。

≪ルーアン大聖堂≫(1892)

≪ルーアン大聖堂≫(1892)

1892年、モネは大聖堂のファザードが見える部屋を借りて、時間帯によって変化する光の効果を繰り返し描き、30点の連作を製作しました。本作品は、午後6時ごろの様子だそうです。落ちた影が画面を二分し、上半分は建物が夕日を浴びて薔薇色に照らされています。近くに寄って作品を眺めてみると、淡い色目におぼろげな曲線で描かれているのがわかり、その曖昧さに魅了されました。

おわりに

さて、美しいモネの作品たちをご紹介しましたが、癒しをお届けできたでしょうか? 実際に見てみると、描かれている自然の風景に自分も入っているようで、さらにリフレッシュできますよ。私自身、モネの作品を見てぼーっとしていると、あっという間に時間が過ぎてしまいます。忙しく過ぎる毎日から少しの間離れたいという方、先月までの自粛に疲れてしまったという方にぴったりのアート旅ではないでしょうか。優しく、淡く、おぼろげな自然を描いたモネの名品の数々、来年の3月まで展示をしているので、ぜひ遊びに行って見てくださいね。

◆モネー光のなかに
会場:ポーラ美術館 展示室3
期間:~2022年3月30日(水)
開館時間:9:00~17:00※入館は16:30まで
料金:大人1,800円、65歳以上1,600円、大学・高校生1,300円、中学生以下無料、障害者手帳をお持ちのご本人及び付添者1,000円

Related Tag

#大石絵里 #アート旅 #モネ #ポーラ美術館 #箱根

Author

アート旅 大石絵理

Ambassador

アート旅アート旅

大石絵理

1993年12月22日、東京都生まれ。高校2年生の時にモデルとしてデビュー。ロンドン留学時代、美術館に訪れたことがきっかけでアート鑑賞が趣味に。モデルとして活動し、アパレルブランド「KOL」をプロデュースしている。また、TV、雑誌、広告と多岐にわたって活動中。

Articles

アート旅 大石絵理

黒と白で表現された世界。ヴァロットンの木版画に触れる旅

アート旅 大石絵理

60年の歳月をかけた作品「包まれた凱旋門」に触れる旅

アート旅 大石絵理

【埼玉】ゴッホの世界に没入。デジタルアートを全身で浴びる

New articles

- 新着記事 -

【京都在住ライターのご近所さんぽ】日本でここだけの三本柱鳥居と京都人の大好物「志津屋のカルネ」へ
  • NEW

京都府

2024.05.27

【京都在住ライターのご近所さんぽ】日本でここだけの三本柱鳥居と京都人の大好物「志津屋のカルネ」へ

京都おさんぽ旅 ちあき

ちあき

京都おさんぽ旅

鈴木杏樹さんが神戸をよくばりに楽しむ旅へ『月刊旅色2024年6月号』
  • NEW

兵庫県

2024.05.27

鈴木杏樹さんが神戸をよくばりに楽しむ旅へ『月刊旅色2024年6月号』

編集部 イシカワ

イシカワ

編集部

【長野・小川村】おやきの故郷、「小川の庄おやき村」で縄文おやき作り体験をしよう!
  • NEW

長野県

2024.05.24

【長野・小川村】おやきの故郷、「小川の庄おやき村」で縄文おやき作り体験をしよう!

甲信&ドライブ旅 みっちゃん

みっちゃん

甲信&ドライブ旅

2024年5月にプライベートサウナがオープン! 旅色地域プロデューサーが足繁く通う「雲仙みかどホテル」で、骨抜きになる癒し旅へ【長崎】
  • NEW

長崎県

2024.05.23

2024年5月にプライベートサウナがオープン! 旅色地域プロデューサーが足繁く通う「雲仙みかどホテル」で、骨抜きになる癒し旅へ【長崎】

tabiiro 旅色編集部

旅色編集部

tabiiro

【福岡・糸島】おすすめの絶景とカフェへ! 初夏のドライブ女子旅
  • NEW

福岡県

2024.05.22

【福岡・糸島】おすすめの絶景とカフェへ! 初夏のドライブ女子旅

女子旅 ほしこ

ほしこ

女子旅

【開催間近!】市の一大イベント「川開き観光祭」と合わせて巡りたいスポットを九州在住ライターがご案内

大分県

2024.05.21

【開催間近!】市の一大イベント「川開き観光祭」と合わせて巡りたいスポットを九州在住ライターがご案内

九州&着物旅 かっきー

かっきー

九州&着物旅

More

Authors

自分だけの旅のテーマや、専門的な知識をもとに、新しい旅スタイルを提案します。

京都おさんぽ旅 ちあき

京都おさんぽ旅京都おさんぽ旅

ちあき

編集部 イシカワ

編集部

イシカワ

甲信&ドライブ旅 みっちゃん

甲信&ドライブ旅甲信&ドライブ旅

みっちゃん

tabiiro 旅色編集部

tabiiro

旅色編集部

女子旅 ほしこ

女子旅女子旅

ほしこ

九州&着物旅 かっきー

九州&着物旅九州&着物旅

かっきー

鉄道旅 なお

鉄道旅鉄道旅

なお

編集部 ホソブチ

編集部

ホソブチ